エレキギターの低価格ルーパー・エフェクター(TC ELECTRONIC・Ditto Looper、VOX・Lil' Looper)

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コンパクト・エフェクターは、極限までコストダウンを実現させた安価な製品から、最良の音を目指してコストを度外視したハンドメイド品まで、様々なグレードのものがあります。ここでは、低価格でも実用に耐えうる、コストパフォーマンスに優れたルーパー・エフェクターについて紹介していきます。
TC Electronic Ditto Looper Jam

TC ELECTRONIC・Ditto Looper

安価なものから高価なものまで、様々なエフェクターの開発で知られるTC ELECTRONICの低価格帯ルーパー・エフェクターがDitto Looperです。本機はギタリストにより設計されたギタリストのためのルーパーというのがコンセプトです。そのため、サイズや重量、音質に優れ、シンプルで使いやすいことに重点を置いているのが特徴的です。
例えば、本機は音質面では可能な限り細かなデジタル処理を行なうようにしており、トゥルーバイパスとアナログドライスルーという機構がエフェクター通過時の音質の劣化や遅延を防ぎます。その上、操作部はボリュームのツマミと、録音や再生、アンドゥやリドゥを兼ねるスイッチのみです。また、録音は最長で5分までとなっていますが、オーバーダビングする回数に制限はありません。
Ditto Looper – 10 things to Know
ただ、本機は他のルーパーが持つような機能を省略したことが原因で、いくつかの弱点も抱えています。例えば、本機はシステムのアップデート用にUSB端子を備えていますが、この端子を介して録音したデータをPCに転送するといったことはできません。また録音できるトラックは1つまでで、新たに最初から録音する場合は既存の録音を削除する必要があります。
TC Electronic Ditto Looper Meets Flashback X4 Delay
これらの特徴や弱点から分かることは、Ditto Looperはリアルタイムでの生のサウンド・オン・サウンドを重視しているということです。小型で持ち運びやすいサイズと形、音質の劣化を最小限に防ぐ構造、その場でループを作成し演出していくのに十分な機能と録音時間、これが本機の「ギタリストにより設計されたギタリストのためのルーパー」という設計理念です。

しかし、本機は録音したデータを複数保存できず、別の媒体に移しにくいという弱点を持つことには変わりません。また、ルーパーに役立つメトロノームやリズムマシーンも備えていません。これらの機能を持つルーパーを求める場合は、少なくともBOSSのRC-3などを購入する必要があります。
VOX Lil' Looper紹介映像

VOX・Lil’ Looper

アンプやエフェクター、最近ではAmplugでもよく知られる、VOXの非常に安価なルーパー・エフェクターがLil’ Looperです。本機はDitto Looperの真逆を行くエフェクターで、2つのトラック数で合計90秒のルーパー機能の他に、コンプレッサー、3種類の歪み、コーラス、フェイザー、ディレイ、アコースティック・ギターやベース・ギターのシミュレーター等が搭載されています。
本機の売りの1つは、2つまでループを録音でき、ペダルを使用してそれぞれのデータを自由に使用できることにあります。Ditto Looperではアンドゥとリドゥを駆使することで似たようなことが行えましたが、本機では全く異なるフレーズを簡単に切り替えながら再生することも可能です。また、ループ・クォンタイズ機能で2つのループを同期させたり、メトロノームも利用できます。

またハードウェア面では、Lil’ LooperはDitto Looperとは異なり電池の駆動に対応し、マイク用の設定やフットスイッチ用の端子、ヘッドフォン用の端子も備えています。本機は何かに特化した性能を持つわけではありませんが、エフェクターなどで様々なことが行えるのが強みです。そのため、自宅でのエレキギターやルーパー機能の練習の他、本機は様々な場面で役立つはずです。

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