拍子

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街中を歩いていると、ドラムだけのソロを披露しているミュージシャンを見かけることがあります。
ドラムソロにはメロディやハーモニーはありませんが、迫力ある演奏に出会うと、ついつい立ち止まってしまいます。

リズムだけでも音楽が成立するように、音楽にリズムの要素は欠かせません。
このリズムを言い表すための考え方が拍子です。

拍子

ドラム譜の例
4拍子のドラム譜。1拍ごとにハイハットが叩かれ、バスドラムとスネアが交互に音を鳴らしている。

拍子(meter:ドイツ語でtakt)とは、繰り返されるリズムをひとまとめにしたものです。
例えば、一定のリズムで「1、2、3、4」を繰り返すリズムは4拍子と呼ばれます。

4拍子は街中やテレビなど、日常で1日に1回は必ず耳にするリズムで、優雅でしっかりした印象です。

リズミカルな3/4
3/4拍子のドラム譜。リズミカルで優雅な印象が特徴的。

一方、「1、2、3」の3拍子も耳にしやすいリズムです。
こちらからは、少し古風な、踊りのような軽やかさを感じます。

drummer
ドラムセットはバスドラム、スネア、ハイハットなどで構成される。ドラマーはそれぞれの音色を生かし、様々なリズムを生み出す。

また、「1、2、3、4、5」でひとまとまりのリズムが5拍子です。
独特で癖がありますが、慣れてくるとそれがかえって心地よいリズムです。

その他には、2拍子や6拍子があります。
これらはそれぞれ4拍子と3拍子の仲間で、どちらも強烈な個性を放つリズムです。

拍子の強弱

拍子を感じるとき、強く感じる拍と弱く感じる拍に分けると心地良いと感じませんか。
これら2種類の拍は、それぞれ名前の通り強拍と弱拍と呼ばれます。
この強拍と弱拍の関係は、様々な拍子で研究されており、それぞれイメージが異なります。
実際に目の前のものを叩いてみると雰囲気が感じ取れるのでやってみましょう。

単純拍子

拍子は単純拍子と複合拍子に分かれます。
単純拍子は2拍子、3拍子、4拍子のことを言います。

様々な拍子記号
様々な拍子を表す記号。それぞれ固有の強弱を持っており、ひとまとまりのリズムを生み出していく。

2拍子は1つの強拍と1つの弱拍(強、弱)から構成されます。
非常にシンプルな構成ですが、原始的な力強さがあります。

3拍子は1つの強拍と2つの弱拍(強、弱、弱)からなります。
叩いてみると、軽快で流れるようなリズムが生まれます。

4拍子は2の強拍と2つの弱拍(強、弱、強、弱)の場合と、1の強拍と3つの弱拍(強、弱、弱、弱)があります。
強拍が2つある場合、後ろの強拍はやや弱い中強拍となります。
中強拍がいることでスピード感に弾みがつくように、これらは音の塊としては同じでも、緊張感や勢いが異なります。

複合拍子

複合拍子は単純拍子を3分割したもので、6拍子、9拍子、12拍子が該当します。
複合拍子では3連符を3拍とするなどして、連符を使用せずに3分割を記譜できます。
そのため、楽譜は非常にシンプルになります。

ノリのよい6/8
連符をそのまま表わした6拍子のドラム譜。テンポが速ければ畳みかけるような面白いリズムを生み出す個性的な拍子。

複合拍子では、「強、弱、弱」の3拍子を繋げた6拍子や9拍子、12拍子が基本です。
6拍子の場合、こちらも中強拍により「強、弱、弱、中強、弱、弱」とリズムがまとまります。
リズミカルで体が横に揺らしたくなるようなノリです。

混合拍子

その他の拍子の種類としては、異なった単純拍子を組み合わせた混合拍子があります。
例えば、5拍子の場合、2+3拍子(強、弱、強、弱、弱)や3+2拍子(強、弱、弱、強、弱)があります。
ちなみに、5拍子には強拍が1つの(強、弱、弱、弱、弱)というパターンもあります。

7拍子はというと、2+5、3+4、4+3、5+2拍子があります。
更に強弱の組み合わせを考えると、パターンはいくつもあります。
8拍子や9拍子、そしてこれら以上の拍子同様で、様々なパターンがあります。

拍子について理解しておくと、様々な音楽のリズムを感じ取れるようになります。

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