音部記号

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音部記号(clef)は、五線譜上で音の高さを示す記号です。
記号にはいくつか種類があり、それぞれ、ある位置に書かれる音符が何の音を示すのかを表します。

ト音記号

ト音記号_ヴァイオリン記号
ト音記号。ヴァイオリン記号とも呼ばれ、高音部を表す標準的な記号として世界的に用いられる。

音楽の代名詞といっても過言ではないくらい、非常に有名な音楽記号がト音記号(G clef)です。
ト音記号は、Gの文字をもとに作られたもので、ソの位置を示します。
ト音はドレミファソラシドのソ、CDEFGABのGと同じ音です。

【対応表】
ハニホヘ トイロハ
ドレミファソラシド
CDEF GABC

ソの音は、ちょうど中央の渦と縦の直線が交差する部分になります。
楽譜の高音部に書かれるため、様々な楽器の楽譜で目にします。

ト音記号_フレンチ記号
ト音記号のうち、フレンチヴァイオリン記号と呼ばれるもの。クラシックの古い楽譜で見られる歴史的な記号で、現代で用いられることは少ない。

へ音記号

へ音記号_バス記号
へ音記号。バス記号とも呼ばれる標準的記号の1つで、低音部を表す。

へ音記号(F clef)は、Fの文字をもとに作られたもので、ファの位置を示す音部記号です。
へ音はドレミファソラシドのファ、CDEFGABのFと同じ音です。
ファの音は右端の二つの点の中央、または太い黒丸の位置になります。
こちらは楽譜の低音部に書かれるので、低音を担当する楽器やピアノなどの楽譜で目にします。

へ音記号_低バス記号
低バス記号と呼ばれる、へ音記号の1つ。バス記号よりも更に低い音を表現することができるが、現在はあまり用いられることのない歴史的な記号の1つ。
へ音記号_サブバス記号
へ音記号のサブバス記号と呼ばれるもの。著名なバス歌手であった15世紀の作曲家ヨハネス・オケゲムの楽譜などで見られる、歴史的で珍しい記号。

ハ音記号

ハ音記号_アルト記号
ハ音記号の代名詞となるアルト記号。Cの形を変化させたとされる、対照的で面白く個性のあるデザイン。

ハ音記号(C clef)は、Cの文字をもとに作られたドの位置を示す音部記号です。
へ音は、ドレミファソラシドのド、CDEFGABのCと同じ音です。
Cの記号を横向きにひっくり返したような記号が縦に2つ並びますが、その接点部分がドです。
ヴィオラやトロンボーンなど、一部の弦楽器や管楽器で見ることができます。

ハ音記号_ソプラノ記号
ハ音記号の1つ、ソプラノ記号。五線譜の1線目に置かれるため、高音部を書き表すのに役立つ。
ハ音記号_メゾソプラノ記号
メゾソプラノ記号。メゾソプラノはソプラノとアルトの中間にあり、五線譜の2線目に置かれる。
ハ音記号_テナー記号
テナーまたはテノール記号。現在でもトロンボーンの楽譜に使われることがある。
ハ音記号_バリトン記号
バリトン記号。5線目に置かれるため低音部を表すことができるが、やはり現代では用いられることは少ない歴史的な記号。

音部記号について理解することで、音符の音の高さが読み解けるようになります。
記号の形の元が何か、またその記号が示す音の高さがどこか。
これさえ覚えておけばどのような記号にも対応できるようになります。

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