リバーブ・VSTエフェクトの追加(Classic Reverb、Mo' Verb Algorithmic Reverb VST)

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比較的最近のキーボードには、midi端子だけでなくUSB端子が搭載されています。そのため、PCと接続してDAW(デジタル・オーディオ・ワークステーション)等を利用することで、世界中のミュージシャンやエンジニアが録音・作製した音源を使用することが可能です。
DAWに関しては有料のものがほとんどですが、日本製のMSPや、海外製ですが市販のものと同等がそれ以上の能力を持つReaper(ただしフリーなのはバージョン1.00未満のみ)といったものがあります。
こういったDAWで使用できる追加のエフェクトは有料やドネーションウェアのものも多いですが、無料で気軽に試せるものも多くあります。ここでは、Steinberg’s Virtual Studio Technology(VST)で作られた、気軽に利用できるリバーブ・エフェクトについて紹介していこうと思います。

classic_reverb.jpg

Classic Reverb


Classic ReverbはKjaerhus Audioが提供していたClassicシリーズの1つで、CPUへの負荷が少なく音質にも優れるリバーブVSTeです。シンプルな操作性、軽快な動作、分かりやすく素直な残響音が魅力です。ちなみに、Kjaerhus Audioのサイトは現在閉鎖されており、ソフトの開発も完全に停止してしまっていますが、一応一部のサイトで再配布されているものをダウンロードすることは可能です。
original.mp3
spicy guitarのプリセット「That’s All, Folk!」によるサンプルのドライ音
classic reverb.mp3
プリセット「bath room」
操作できるパラメータは空間の大きさを決めるSIZE、反響時の音の減衰を決めるDAMPING、エフェクトが聞こえ始める時間を決めるPRE DELAY、高音域に限定して反響音の減衰を決めるHI DAMP、カットする低音域の上限を決めるLO CUT、最初の反響音(ER)の音量を決めるEARLY REF.、ドライ音とウェット音のバランス決めるMIX、そして全体の出力音を決めるLEVELです。
Classic Reverbは各ツマミが分かりやすく、その効果も確かで、CPUへの負荷も少ないと三拍子揃っています。そのため、後のミックス段階でより重いリバーブに差し替えるまでの繋ぎのリバーブとして十分な性能を持っており、そのまま最後まで使用することもできます。

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Mo’ Verb Algorithmic Reverb VST


Rhythm-labが開発した、様々なパラメータを視覚的な操作も交えて操作できる、ドネーションウェアの多機能リバーブがMo’ Verb Algorithmic Reverb VSTです。こちらもいくつかプリセットを収録しており、特に設定を吟味しなくても効率よくエフェクトを使用できます。しかし、細かな調整ができると後々無駄がないので、簡単に説明していきます。
mo verb.mp3
プリセット「bath room natural」とspicy guitarのプリセット「That’s All, Folk!」によるサンプル
上部のearly EQは初期の反響の、late EQはその後の、wall EQは壁からの反射音のイコライジングを行うことが可能です。また、r.timeは残響音が残る時間を、room sizeとe.r. sizeは空間の広さを、pre delayは残響音が聞こえ始める時間を、diffusionは反響音の左右の広がりを、gateは反響音を閉じる時間を決めます。
そして最後の3つはやや特殊で、input stereomixは入力音の左右の定位を、channel spreadはモジュレーションによる左右の広がりを、stereo widthは音の左右の広がりの幅を決定します。ちなみに音量には注意ですが、音をウェット音のみにしてr.timeを最大にすれば残響音が消えなくなります。これを利用すれば、それぞれのツマミの効果を分かりやすく確かめることが可能です。

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