ピッチ補正・VSTエフェクトの追加(GSnap、kerovee)

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比較的最近のキーボードには、midi端子だけでなくUSB端子が搭載されています。そのため、PCと接続してDAW(デジタル・オーディオ・ワークステーション)等を利用することで、世界中のミュージシャンやエンジニアが録音・作製した音源を使用することが可能です。
DAWに関しては有料のものがほとんどですが、日本製のMSPや、海外製ですが市販のものと同等がそれ以上の能力を持つReaper(ただしフリーなのはバージョン1.00未満のみ)といったものがあります。
こういったDAWで使用できる追加のエフェクトは有料やドネーションウェアのものも多いですが、無料で気軽に試せるものも多くあります。ここでは、Steinberg’s Virtual Studio Technology(VST)で作られた、気軽に利用できるピッチ補正・エフェクトについて紹介していこうと思います。
GSnap MIDI Mode Tutorial (rewrite your melody *after* you've recorded it)
Gsnap Midi Modeの使い方の例

GSnap


GSnapはGVSTによって開発された、様々なパラメータ設定により音程を補正できるフリーのピッチ補正vstエフェクトです。ピッチ補正エフェクトはその名の通り、入力された音をスケールや特定の音高に沿うよう補正するものです。また、ピッチ補正機能を利用して音高を段階的に上下させ、「ケロケロ」という音(オート・チューン)を意図的に作り出す際にも利用されます。
GSnapは音声の音の高さを表示する機能があり、これに合わせて補正する音高を選ぶFixed Modeと、Midi情報を元に音を補正するMidi Modeがあります。そしてパラメータはやや多く、補正する周波数の上限と下限を決めるMIN/MAX FREQ、エフェクトが掛かり始める最低音量を決めるGATE、補正の判定の閾値を決めるSpeedが最上段にあります。

Gsnap.JPG

Gsnap:2 Oct 2013バージョン(左)と旧バージョン(右)
またパラメータには他にも、補正の対象範囲をcent単位で決めるThreshold、どこまで正しい音程に近づけるかを%で決めるAmount、補正の掛かりと解除のタイミングを決めるAttack、Releaseといったものがあります。更にMIDIモードを利用する場合、ピッチベンド、ビブラートの強さ、速さの情報を補正に生かすためのPitch Bend、Vibrato、Speedといったものも利用できます。
その他、Calibrateは基準音Aの周波数を変更する際に使用されます。設定によって変わってきますが、GSnapは音のハリや連続する音の滑らかさが失われやすくなる傾向があります。しかし、音源に合わせた設定さえ作ってしまえば、手軽にトラック全てのピッチを補正することが可能で、これが強みです。
一方、手間はかかりますがDAW上でオーディオファイルを切り刻んでピッチを直接修正すれば、音質の変化は最低限で済みます。どちらの方法が良いかは、補正したい箇所の数や前後の繋がり、エフェクトの掛かり方によって変わってきます。
KERO VEE pitch correction / Autotune effect plugin for vocals BY g200kg

kerovee


keroveeはg200kgが開発した、フリーの日本製ピッチ補正vstエフェクトです。こちらはケロケロボイスに重きをおいたピッチ補正エフェクトで、そのための方法がマニュアルに記載されています。更に、最近ではバージョンアップにより自然な掛かりのピッチ補正も行えるようになりました。ちなみに、Keroveeの音色加工機能を取り出したRoveeというvstエフェクトもあります。
KeroKero ShiyouYo (KeroVee 1.53)
keroveeはGSnapと同等の機能、パラメータを備えています。その上、フォルマントを操作・保持することでユニークな音作りが可能です。更に、原音の他に2系統の出力を備えており、それぞれ音量や定位、トランスポーズや音高の微調整ができるようになっています。そのためパラメータが多く複雑ですが、マニュアルが日本語なので設定は比較的楽なはずです。

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