DAWがバンドルされているオーディオインターフェイス(STEINBERG UR-22、ROLAND DUO CAPTURE EX)

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DAW(デジタル・オーディオ・ワークステーション)はコンピュータ上でMIDIや音声の記録と録音、これらの編集、そしてミキシングなどの作業が出来るソフトウェアです。また、楽曲を作成するために使用するMIDIデータやオーディオデータを手軽に扱えるDAWは、現代の音楽活動に無くてはならないものの1つです。

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DAWでもよく見られるシーケンサー(ピアノロール)部分の模式図
作者 Kanohara
更に、DAWはソフトウェアによって異なりますが、数多くの音源やエフェクトのプラグインを内蔵していることが多く、それだけで楽曲の制作を始めることができます。ただ、DAWは音楽に使用する道具ということもあり、その高機能さと高性能さゆえにソフトウェアとしては高価な部類に入ります。
また、DAWにはそれぞれのコンセプトに基づく操作感の違いがあるため、使用して慣れてみるまで自分にとって使いやすいかどうかがわかりません。そのため、いきなりDAWの本体あるいはその上位版を購入するのはややリスクが伴います。そういった際に役立つのが、DAWの下位版がバンドルされているオーディオ・インターフェイスです。

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ノートパソコンにUSBで接続されたオーディオインターフェース、M-AUDIO MobilePre USB Mixer
作者 Stephan Ridgway from Sydney, Australia
オーディオ・インターフェイスは楽器や音声をPCに入力するために使用する、DTMでは一般的な道具です。場合によりますが、一般的に市販されているパソコンに内蔵のサウンドカードでは、扱える周波数帯域やBitの上限が低く、ノイズが乗りやすいという弱点があります。
その点、音声の取り込みや出力に特化したオーディオ・インターフェイスの場合、これらにはしっかりと対策が施されているので安心です。そこで、ここではSONAR LEがバンドルされているROLANDのCAPTUREシリーズと、Cubase AIがバンドルされているSTEINBERG UR-22を紹介していきます。
UR22 audio and MIDI interface

STEINBERG UR-22

UR-22は24bit/192kHzまで対応する、非常にコストパフォーマンスの高いオーディオ・インターフェイスです。本機は非常に小型で値段もそこまでしないだけでなく、市販CDの16bit/44.1kHz以上の音質で楽曲を制作することが可能となるのが魅力です。
また、機能面ではUSBバスパワー駆動に対応しているためコードが邪魔になりにくく、ダイナミックマイクやコンデンサーマイク、エレキギターやベース、シンセサイザーの信号を入力することができます。その上、MIDI端子を備えているので、外部のシンセサイザーをPC側から操作することも簡単に行えます。
The EC Twins…On The Road With The UR22
ただ、USBバスパワー駆動には弱点があり、PCの電源状態やUSBのコードや基盤の劣化状態によっては動作が不安定になるため注意が必要です。また、本機の対応OSはXPあるいはMac 10.5.8以上で、性能では2GHz以上のCPUと1GB以上のメモリを要求します。そのため、古いPCを使用している場合はこれらの点にも気を付けるべきです。

そして、UR-22はCubaseのバンドル版であるAIが付属しているので、インストールすれば即座に24bit/192kHz環境で音楽を制作することができます。更に、AIはオーディオやMIDI等のトラック数にいくつか制限がありますが、凝ったことをしない限りは特に足らないということはないはずです。また、AIはVST音源と基本的なVSTエフェクトを備えているので、DTMを始めるにあたっては十分過ぎる機能を持っています。
DUO-CAPTURE EX Overview – Roland Connect Sept. 2012

ROLAND DUO CAPTURE EX

DUO-CAPTURE EXはDAWのSONAR LE版が付属する、非常にコンパクトで軽量なUSBオーディオインターフェイスです。こちらはUSBバスパワーや単三乾電池、ACアダプターでも駆動するのが特徴で、自宅だけでなくスタジオやライブなど様々な場面で使用できるのが強みです。
ただその一方で、本機はUR-22とは異なり24bit/96kHzまでの対応となります。最終的にCDの44.1kHZにする場合はどちらでも基本的に問題はありませんが、製作時の音質には違いが生じることもあります。
また、DUO CAPTURE EXに付属するSONAR X1 LE版は、Cubase AI版と同様にトラック数等に制限があります。ただ、こちらも様々なエフェクトや音源を内蔵しているので、すぐにSONARの機能を生かしながらデジタルな環境で楽曲の制作を始めることができます。
Roland Capture Series Technology: VS PREAMP
そして本機のもう1つの特徴は、設定を切り替えることでiPadと接続、連携できる点にあります。iPadで手軽に音源を制作したり、外部のシンセサイザーの音作りや自動演奏をしたい場合はこれらの機能が役立つはずです。

その他、本機はWindowsでXP以上、Mac OS Xで10.5.8以上、CPUは1GHz以上、メモリは1.0GB以上となっています。そのため、古いPCやノート型のパソコンを使用する場合は注意が必要かもしれません。

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