気持ちの良い音を作り出すためのチューブプリアンプ(ART・TUBE MP STUDIO V3、BEHRINGER・MIC2200 Ultragain Pro)

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プリアンプは、マイクロフォンにより集音したアコースティック・ギターやボーカル、エレキギターやベース、キーボードなどの音量を上げ、ミキサーやオーディオ・インターフェースへ信号を送るための道具です。現在では、これらの機能はミキサーやオーディオ・インターフェースが備えていることもあるので、プリアンプは必ずしも必要なものではありません。
しかし、チューブプリアンプと呼ばれる真空管を内蔵しているものは、一般的なトランジスタのアンプとは異なった増幅を可能とします。そしてその結果、チューブプリアンプは楽器の不自然な高音域を打ち消したり中音域や低音域の良さを引き出すこともあり、現在でも重用されています。そこで、ここではコストパフォーマンスの優れた、シンプルなチューブプリアンプを紹介していきます。
ART Tube MP Studio V3: Variable Valve Voicing Is Just What It Sounds Like (Video)

ART・TUBE MP STUDIO V3

安価で持ち運びに優れる非常に有名なチューブプリアンプ、ARTのTUBEシリーズの1つがTUBE MP STUDIO V3です。本機の最大の特徴はボーカル、ギター、ベース、キーボードといった様々な楽器用のプリセットが内蔵されていることです。そのため、これらを用いれば真空管で増幅した迫力のある音色を手軽に得ることができます。
また、TUBE MP STUDIO V3はマイクでの使用もしっかりと想定されており、XLR端子とコンデンサー・マイクに電気を供給するためのファンタム電源、ゲインを+20dBブーストするためのスイッチが搭載されています。更に、本機には位相反転のためのスイッチもあるので、レコーディング時にマイクの信号が干渉して不自然な音になってしまうのを防ぐことができます。

その他、本機には出力信号を正確にコントロールし録音機材のクリップを防ぐOPL(アウトプット・プロテクション・リミッター)が内蔵されています。この機能を駆使するプリセット設定群を選べば、近接したマイクから得られるような大きな信号でも自然に増幅することができます。そのため、小型の本機を駆使すれば、様々な環境で生きたままの音をレコーディングすることができます。
[OTOYA MOVIE] BEHRINGER 2チャンネル・チューブマイクプリアンプ MIC2200

BEHRINGER・MIC2200 Ultragain Pro

MIC2200 Ultragain Proは極限までコストダウンを追求し様々な音響機材を低価格で販売している、BEHRINGERのラックタイプ2chチューブプリアンプです。こちらもマイクを含め様々な楽器の信号を聴き心地の良いものへ変えるのが特徴で、レコーディングやライブ等での使用が想定されています。
こちらはファンタム電源付きのXLRとフォンの入出力端子、位相反転スイッチの他に、10~60dBのゲインブースト、低周波ノイズを遮断するためのハイパスフィルター、周波数帯を調整できるパラメトリックEQを備えているのが特徴です。特に、イコライザーは周波数帯の調整の他にバンドの幅も調整できるので、細かな音作りが可能です。

BEHRINGERの製品は筐体ごとにツマミなどのハードウェアの品質にバラつきがあるという欠点があります。しかし、全く使えない不良品はそこまで多くなく、安さの割りには十分な性能を備えていることがほとんどです。そして本機もチューブプリアンプとしては十分な性能を持つので、手を出す価値はあると言えます。

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