目次
11分で読めます。
エフェクターを使うと、音を様々な形に変えることができます。
よく聴く音から一風変わった音まで、エフェクターで作り出せる音は変幻自在です。
今回はそのエフェクターを機能別に紹介していきます。
音量変化
コンプレッサー
コンプレッサーは音量のバラつきを抑えるものです。
設定(閾値)より大きい音量を小さくしたり、小さい音量を増幅し全体の音量を揃えます。
また、音量を変えるまでの時間を調整することもできます。
面白い使い方もできる、基本的なエフェクターです。
リミッター
リミッターは、過大な音量を小さくし、大きな音量の維持に特化したエフェクトです。
コンプレッサーとよく似ていますが、リミッターはトラックのミキシングCDのマスタリングによく使われます。
また、大きな入力音による機器の故障を避けるのにも使われます。
ノイズゲート
名前が示すように、ノイズゲートは設定した閾値を下回る大きさの音を小さくするエフェクターです。
ディストーションで増幅されたノイズや、電子機器のジーと聞こえるノイズを除去するのに使います。
音量の閾値、減衰の割合、エフェクトを効かせるまでの時間、対象の周波数などを設定できます。
エキスパンダー
設定した閾値以上の音量を増幅し、以下を減衰させるエフェクトがエキスパンダーです。
高級なものだと、増幅するまでの時間、エフェクトが切れるまでの時間、かかり方などを設定できます。
ブースター
音量を増幅するエフェクトがブースターです。
ブースターにはそれぞれ特性があり、音の張りは千差万別です。
多機能なブースターは、特定の音域を増減することができます。
オーバードライブ/ディストーション/ファズ
音が増幅されて回路の限界を超えたとき、オーバードライブが発生し、音がトゲトゲしく歪みます。
この歪みを意図的に発生させるエフェクトがオーバードライブです。
増幅回路にはそれぞれ特性があり、様々な倍音が付加されるのが特徴です。
オーバードライブはおおまかに3種類です。
軽めのオーバードライブ、より荒々しいディストーション、倍音が著しく強調されるファズです。
音色変化
コーラス
同時に音を鳴らしているような効果を発生させるエフェクトがコーラスです。
音を遅らせたり、周波数を変えることで音の揺れやコーラスの深さを変えることができます。
種類によっては、自然なコーラスから明らかに人工的なものまで、様々な音を作り出せます。
フランジャー
フランジャーは、コーラスなどと同じ仕組みで音の波形を干渉させて、音色を変えるエフェクトです。
コーラスよりも短い間隔で音を干渉させ、更にその音に対してフランジャーをかけることもできます。
このフィードバックの仕組みにより、機械的・金属的な音が作れます。
フェイザー
波の周期、位相の変化を利用して波形を干渉させ、音を変えるエフェクトがフェイザーです。
エフェクトの強さや位相変化の度合、周波数を操作することで、音の揺れの深さや速さを調整できます。
フランジャーと同じく、とても特徴的な音です。
トレモロ
音量を周期的に上下させるエフェクトがトレモロです。
音を小刻みに鳴らすトレモロ奏法と同じですね。
音量を上下させる周期や、音量の上下の強さを設定することができます。
イコライザー
特定の周波数を大きくしたり、小さくしたりするエフェクトがイコライザーです。
様々な音響機器やエフェクターに内蔵されている、一般的なエフェクトです。
イコライザーは、大きく分けるとパラメトリック型とグラフィック型の2つがあります。
パラメトリック型は変化させたい周波数の幅を決めて、それぞれの音量の増減ができます。
機器のグレードにより、設定できる数は違います。
その楽器らしい音を強調したり、複数の楽器でぶつかる周波数をカットし、音を整えるのに役立ちます。
グラフィック型の場合、調整できる周波数と幅は固定です。
ただし操作できる周波数は多数あり、名前の通り設定は視覚的です。
その代わり、パラメトリック型と比較するとピンポイントでの調整は難しいです。
ローファイ
高音を除去することで音をこもらせるエフェクトがローファイです。
ラジオやアナログレコードのような音を作れます。
イコライザーでも同じことはできますが、ローファイの中にはノイズを足せるものもあります。
またサンプリング周波数を下げて音をざらつかせるものもあります。
ワウ/オートワウ
増幅する周波数をペダルで操作し、音を変えるエフェクトがワウです。
名前の通り、ワウワウ言っているように聞こえます。
オートワウは、音量に応じて増幅する周波数を変えるワウです。
反応する音量、変化の鋭さ、周波数を上下させる方向を設定できます。
トーキングモジュレーター
音に人の声に似た癖を付けることで、イントネーションを加えるエフェクトです。
チューブを経由して口に音を送り、その反響を操作し、マイクで拾うことで特徴的な音を作ります。
シンセサイザーに搭載されているものもあり、こちらはマイクで直接声を吹き込みます。
エンハンサー/エキサイター
足りない高音域を加え、音の抜けを良くするエフェクトがエンハンサー/エキサイターです。
原音を歪ませ倍音成分を取り出したり、あるいは位相を操作することで倍音を生み出すことができます。
オクターバー
オクターバーは、オクターブ上やオクターブ下の音を加えるエフェクトです。
高機能なものだと、2オクターブ上下を作り出すことができます。
1つの音、周波数に反応するため、和音だと動きは不安定です。
ピッチシフター/ハーモナイザー
音の高さを変えたり、和音を作り出すエフェクトです。
1オクターブ上下までの音を作り出せるものが一般的です。
高機能なものだと、設定した音階に従って音の高さを変更したり、ハモらせることができます。
リングモジュレーター
リングモジュレータは、元の音とエフェクターの音の周波数の和と差から音を作り出すエフェクトです。
鐘やベルのような金属的で歪んだ響きが特徴的です。
機種により、掛ける周波数や波形の種類、エフェクトの音量、周波数の周期を変更できます。
残響音
ディレイ/エコー
やまびこを追加するエフェクターです。
音の広がりを作ることで、響きを強調したり、空間を演出することができます。
エフェクターの中には、遅れた音を鳴らす時間の他、やまびこの回数が設定できるものもあります。
また、逆再生音をディレイさせたり、繰り返し回数を無限にして音をループさせられるものもあります。
リバーブ
リバーブは残響音を加えるエフェクトです。
仕組みはディレイと同じですが、部屋やホール、浴室など、様々な残響音を再現します。
残響音が残る時間、再現する空間や音を反響させる材質など、機種によって設定できるものは様々です。
リバーブは楽器のアンプやDAWに付属するものもあるほど、ポピュラーで一般的なエフェクトです。
また音楽再生用ソフトウェア、音響機器に標準で搭載されていることも多いです。