エレキギターのオクターブ調整

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ここでは、ギターの演奏において大変重要なメンテナンスであるオクターブ調整について説明していきます。オクターブ調整をしっかりとしておくことで、ギターの演奏だけでなく、音を聞く力も身に付きやすくなってきます。

オクターブ調整

ギターの音の高さは各弦の全長と張りで決まります。そのため、開放弦でチューニングし、ちょうど弦の長さが半分になるよう設計されている12フレットの部分で弦を弾くと、振動が倍になり1オクターブ高い音が出ます。
しかし、弦の全長に対して12フレットの位置がずれてしまうと、周波数がずれるため、音の高さがずれてしまいます。これをしっかりと調整し、各フレットで正確な音高を出せるようにすることをオクターブ調整と言います。

チューニング

調整方法は単純ですが、開始する前に道具が揃っているか確認します。チューナーやプラスドライバー・マイナスドライバーといった工具があれば準備は万端です。

KORGのチューナー
まず、チューナーを用いて1弦から6弦までEBGDAEとチューニングします。他のチューニングでも問題ないと思いますが、私はこの標準的なチューニングでオクターブ調整を行っています。

Table_of_Harmonics.svg.png

ハーモニクスの可能な位置と音の高さ
作者 messerWoland
次に、12フレットを押さえて出た音と12フレットでのハーモニクスの音程が合っているかどうか確認します。これがずれていた場合は、弦の全長に対する12フレットの位置がずれていたということなのでオクターブ調整が必要です。
もし、12フレットを押さえて弾いた音がハーモニクスの音がより高かった場合、これは弦の全長がやや短くなっていることを意味しています。つまり、ネックから12フレットまでの長さより、12フレットからブリッジまでの長さが短くなっているということです。そのため、これを改善するためにはブリッジの弦を支えているサドルを後ろに移動させます。
もし、12フレットを押さえて弾いた音がハーモニクスの音がより低かった場合、これは弦の全長がやや長くなっていることを意味しています。つまり、12フレットからブリッジまでの長さより、ネックから12フレットまでの長さが短くなっているということです。そのため、これを改善するためにはブリッジの弦を支えているサドルを前にに移動させます。
ただし、実際のサドルの調節方法はブリッジの種類で異なります。ただ、弦高の調整のように、フェンダーのストラトキャスター型、レスポール型といった形で2つに分けることができるようです。

フェンダーのシンクロナイズド・トレモロ・ブリッジ等

Fender_Stratocaster_tremolo_bridge.jpg

フェンダー・ストラトキャスターのシンクロナイズド・トレモロ・ブリッジ
作者 Zzerox
シンクロナイズド・トレモロ・ブリッジの場合、サドルの後ろ側にねじがあり、それをばねが支えている構造となっています。そのため、サドルの位置を調整するためにはこのねじを回していくことになります。

チューン・O・マチック・ブリッジ

Tune-o-Matic_LP1.jpg

レスポールのチューン・O・マチック・ブリッジ&ストップ・テイルピース
作者 Patrick Despoix
標準的なレスポールの場合でも、方法は基本的にシンクロナイズド・トレモロ・ブリッジと同じです。ただ、サドルを調節するねじの穴がネック側にある場合、やや回しにくいので、ドライバーの金属部分でギターのボディを傷つけないよう注意が必要です。

フロイド・ローズ

EdgePro2Bridge.jpg

アイバニーズ、エッジ・プロ2のフロイド・ローズ
作者 Rodrigo César
シンクロナイズド・トレモロ・ブリッジの発展型でもあるフロイド・ローズも全く同様です。こういった作業では、サイズの合ったドライバーを用いてねじ穴をなめないようすることが重要です。もしねじ穴が駄目になってきてしまったら、ねじを個別に買ってきて変えなければなりませんが、これは面倒です。

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