iPadと連携するマルチ・エフェクター、アンプ・シミュレーター、DIGITECH・iPB-10

5分で読めます。

現在の多くのマルチ・エフェクターはUSB端子を備えており、PCと手軽に連携できるようになっています。そして最近では、スマートフォンと組み合わせて使用できるマルチ・エフェクターやアンプ・シミュレーター等も登場しています。ここでは、そういったスマートフォンと連携して使用できるマルチエフェクター、アンプ・シミュレーターについて紹介していきます。
Tour of the iPB-10 Programmable Pedalboard

DIGITECH・iPB-10

DIGITECH・RP1000
デジタルに信号を処理する様々なエフェクターを開発してきた、DIGITECHの多機能マルチ・エフェクターがiPB-10です。本機はDIGITECHのRP1000をiPadでグラフィカルに操作できるようになったものと考えると非常にわかりやすいマルチ・エフェクターです。実際のところ、RP1000のLEDやツマミがあった部分にiPadがはまるようになっています。
Digitech iPB-10 Programmable Pedal Board
このインターフェイス部分の進化は、iPB-10にRP1000とは異なった様々な長所と短所を与えています。例えば、多くのマルチ・エフェクターはLCDやLEDを搭載しており、中でもROLANDのGT-100などは2枚のLCDパネルを備えています。これらのパネルは、マルチ・エフェクターの使い勝手や視認性を大きく向上させています。
iPB-10はその視認性と使いやすさを更に向上させるため、ディスプレイにタッチパネル型の端末であるiPadを採用しています。そのため、iPad上のiPB-Nexusアプリを指で操作するだけで、既存のプリセットやエフェクター、アンプ、キャビネットを呼び出したり、これらをペダルにアサインできるようになっています。その上、これらの設定は常に簡単な操作で確認することが可能です。
DigiTech iPB-10 video review demo Guitarist Magazine HD
また、本機はRP1000の機能を踏襲しているので、エフェクトやアンプの使用数や並び、自由度に関しては高い水準に達しています。実際には、モデリングされたものを含め、内蔵された87種類のエフェクト、54種類のアンプ、26種類のキャビネットを好きな組み合わせで使用できます。
これだけエフェクトがあるとどれを使用するか迷ってしまいますが、プリセットも豊富にあるので、これらが本機の機能の理解を助けてくれます。その上、RP-1000は「自身を中心に外部のアンプとエフェクターの配線までも設定する」ことが設計理念であり、アンプとエフェクター用のループを備えていました。本機もそのコンセプトを踏まえており、同様の入出力端子を備えています。
Digitech iPB-10
その他、iPadはiPB-10のオーディオ・インターフェイスとしても機能するので、iPad上の音源を本機に流したり、ギターのドライ音、ウェット音をGaragebandで録音、再生することができるようになっています。RP-1000はやや貧弱でしたが、これらの機能により本機はRP-1000を超えるルーパー機能を獲得しました。
ただし、iPB-10においてiPadはあくまでタッチ操作できるオーディオ・インターフェイスで、実際の信号処理はエフェクター側が行なっています。またRP-1000とは異なり、本機はiPadが無いとマルチ・エフェクターの細かな調節を行うことができません。これは、iPB-10とiPadのどちらかが欠けてしまうだけで、本来の性能を全く発揮できなくなってしまうことを意味します。

本機もまたBOSS・GT-100やLINE6のPOD、RP-1000と同じように、長い間使用できるほどのポテンシャルを秘めたマルチ・エフェクターです。しかし、iPadが古くなって故障したり、新たなiPadが発売されてもDIGITECH側が対応しなければ、本機を末永く愛用していくことはできません。こういった高価な外部ハードウェアに依存する点が、本機の最大の長所であり短所とも言えます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。