5分で読めます。
ラインセレクターやフットスイッチ、A/Bボックスは、どれも実際の演奏時に重宝するエフェクター(周辺機器)です。ただ、それぞれを足元に置くとシールドなどが煩雑になってしまいがちです。そのため、これらの機能が統合されているエフェクター(周辺機器)も少なくありません。そこで、ここではそういった複合型の多機能スイッチング・システムを見ていきます。
VOCU・Magic Switching & Loops
ユニークで多機能なエレキギター用周辺機器を開発・販売している、VOCUの中上級者向け小型スイッチングシステムがMagic Switching & Loopsです。本機は見た目こそ非常にシンプルですが、それは表面だけで、裏面には設定を切り替えるための様々なスイッチが用意されています。そしてこれらを切り替えることで、本機はエフェクター用の様々な周辺機器へと姿を変えます。
まず、Magic Switching & Loopsは2つのラインループを切り替えるシンプルなラインセレクターとして機能します。この機能は、例えば、オーバードライブとファズといった2つの歪みを使い分けたい場合や、ソロ用とバッキング用のエフェクターを切り替えたい場合に役立ちます。
更に、本機にはノーマル・モードとトグル・モードの2つが用意されています。このうちノーマル・モードはとても単純で、フットスイッチのオン・オフを切り替えることで、対応するループのオン・オフを切り替えることができます。一方、トグル・モードはより実戦的で、フットスイッチを踏むことでAとBのオン・オフを同時に切り替えることができます。
ノーマル・モードと外部のフットスイッチ
また、本機には外部のフットスイッチ用の入力端子があります。この端子に信号が入力されると、トグル・モードと同じように各ラインのオン・オフが反転します。つまり、本機のフットスイッチと外部のフットスイッチを併用することで、ノーマル・モードとトグル・モードを両立させることができるようになります。
その上、本機は2つのループのセンドとアウトプット端子を活用することで、出力を3つに振り分けるA/B/Cボックスとして機能させることもできます。これを利用すれば、イントロ用、バッキング用、ソロ用といった形で3つまでアンプを使い分けることができます。
A/B/Cボックス
そして同様に、2つのループとインプット端子を利用すれば、本機は3つの入力を切り替えることも可能です。これを利用すれば、複数のギターや楽器を使い分けつつ、同じアンプから音を出すことができます。この機能も実戦的で、チューニングの異なるギターを使い分ける必要があるライブ時に役立ちます。
それから本機は、ラッチ(押すと切り替わる)・アンラッチ(押している間切り替わる)のフットスイッチとしても使用できます。その上、本機はそれぞれのループ端子がフットスイッチ用端子となっており、各系統のラッチとアンラッチを別々に設定することが可能です。ちなみに、ここでもトグル・モードにより、接続した機器の設定を同時に切り替えることができます。
ラインループとフットスイッチの併用
また、フットスイッチとループの機能を切り替えるスイッチは、各ラインループで独立しています。そのため、一方をループに、他方をフットスイッチにするといった芸当も可能です。更に、この機能もまたトグル・モードに対応しているので、ループのオン・オフとアンプのエフェクトを同時に切り替える、といったこともできます。
Magic Switching & Loopsは、1台でエフェクターやアンプ、入出力の切り替え、フットスイッチの機能を使い分けることができ、これらを複合させることができます。ただし、本機は2系統という制限があり、機能が複雑なので使いこなすには慣れが必要です。しかし、ポテンシャルはとても高いので、本機のいずれかの機能が1つでも必要になったら、購入を検討しても良いと思います。