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コンパクト・エフェクターは、極限までコストダウンを実現させた安価な製品から、最良の音を目指してコストを度外視したハンドメイド品まで、様々なグレードのものがあります。ここでは、より高品質・高音質な音色を目的とした、上位機種のノイズゲート(リダクション)・エフェクターについて紹介していきます。
Decimator ISP Technologies Noise Reduction
ISP TECHNOLOGIES・DECIMATORシリーズ
オーディオやギター用の様々な製品を開発している、ISP TECHNOLOGIESの高性能なノイズリダクションがDECIMATORシリーズです。本機は最新のノイズリダクション技術が使われているというのが謳い文句で、タイム・ベクター・プロセッシング(TVP)と呼ばれる技術が常に音の入力を監視し、ノイズを除去しつつ音が不自然に途切れないようにしています。
The ISP Decimator G String pedal power test
本機は非常にシンプルな操作部で、ツマミはエフェクトが掛かる閾値を決めるためのスレッショルドのみです。そして、通常のDECIMATORはエフェクターの一番最後、アンプの直前に繋ぐだけで最大の力を発揮するようになっています。
DECIMATOR G-STRING
ちなみに、上位のDECIMATOR G-STRINGはBOSSのNS-2のようにセンドとリターンを持ち、それぞれでノイズの検出を行うことができます。そのため、アンプのセンドとリターン、エフェクターを本機のループの中に組み込むことで、歪みのオンオフを切り替えてもサステインが不自然にならないようにすることができます。
DECIMATOR
使い方はこれだけで、後は鏡面仕様のボディがルックスに優れるぐらいですが、そのノイズリダクション性能はかなりのものです。また、サステインを不自然に切ることも無く、エフェクトによる音質の変化も感じられません。ノイズは強すぎると演奏者も聴衆も不快になるので、ハイゲインでいくならばこういったエフェクターはとても大切です。
MXR M135 Smart Gate Demo Video
MXR・SMART GATE
定番の域まで至った様々なエフェクターを販売している、MXRのノイズゲートがSMART GATEです。こちらはセンドとリターンによるループはありませんが、スレッショルドの範囲を変化させるHi Trigger Rangeと、カットする周波数帯を変更することができる2つのスイッチがあります。
これらの機能のうち、Hi Trigger Rangeは本機をギターの入力信号だけでなくラインレベルの信号にも対応させるために使用します。また、Hiss、Mid、Fullのスイッチでは、Hissで-3dB at 1kHz、-20dB at 15kHz、-25dB at 20kHzといったように、それぞれの周波数帯でカットする音量を変えることができます。
MXR Smartgate Review
ちなみに、Midでは、-3dB at 500Hz、-30dB at 20kHz、Fullでは、>-30dB at 60Hz、-15dB at 500Hz、-25dB at 20Hzとなります。そしてこれら3つは得意とするソースが異なり、Hissはボーカルやキーボードおよびベース、Midは歪んだギター、Fullは電源やモニター、蛍光灯由来のノイズに対応します。
本機は設定の幅広さ、使いやすさ、コンパクトさに優れているので、ギターだけでなく様々な楽器でも役立ちそうです。また、値段に関して本機はDECIMATORより安いので、ノイズをカットする必要性、見た目の好み、予算によっては、こちらも候補の1つとなってくるはずです。