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ギターの演奏時、弦を押さえる側の手は基本的にクラシック・フォームかシェイクハンド・フォームのどちらかの形を取ります。これらはそれぞれギター演奏のテクニック面で得手不得手があり、演奏する楽曲のジャンルによっても有効性が変わってきます。ここでは、これら2つのフォームについて簡単に説明していきます。
クラシック・フォームでのFマイナーの指弦
作者 Elenaf
クラシック・フォーム
クラシック・フォームは親指をネックの裏側の真ん中辺りに当て、人差し指から小指を広げやすくするフォームです。フレーズや手の大きさによっては、親指を当てる位置がネック裏側の6弦側に寄ったり1弦側に寄ったりと、臨機応変に変化します。
このフォームの最大の長所は指が大きく広がるようになる点で、これを利用すれば人差し指を1フレット目として5フレット以上先を押さえることも可能になり、より運指の幅が広がります。また、ハンマリング・オンやプリング・オフが行える幅も広がるため、速弾きをしなければならないハードロックやヘヴィメタルといったジャンルでの演奏に役立ちます。
クラシック・フォームでのチョーキング
作者 Meanos
ただし、クラシック・フォームはシェイクハンド・フォームよりビブラートとチョーキングに使用できる指が減りやすく、安定感が劣りやすくなるという弱点を持ちます。特に、チョーキングは慣れておかないと不自然に音が途切れてしまうことがあります。
シェイクハンド・フォームでギターを弾く少女
作者 Johannes Vermeer (1632–1675)
シェイクハンド・フォーム
シェイクハンド・フォームは1弦を押さえられるぐらい親指をネックの上から出し、手のひらでネックを握るフォームです。こちらのフォームは、コード演奏時に場合によっては親指が6弦のミュートを担当することにもなる芸が細かいフォームでもあります。
また、シェイクハンド・フォームでは、弦をチョーキングしたりビブラートする際にいくつかの指を使えることが多く、手首の力も入れやすくなります。そのため、繊細・大胆なチョーキングやビブラートが比較的簡単に行えるようになり、よりギターらしい演奏が簡単にできるようになります。こういった理由から、こちらのフォームはブルースやロック等、ギターの表現が豊かなジャンルに欠かすことはできません。
シェイクハンド・フォームでのチョーキング
作者 Giacomo Ritucci
しかし、シェイクハンド・フォームは指が広がらないため、指を広げやすいクラシック・フォームと比べるとポジションの移動が起こりやすくなります。また、手の大きさによってはネックの太さが枷となり、特に低音弦の演奏がしにくくなることがあります。
2つのフォームを組み合わせる
演奏する際はどちらかのフォームだけの方がシンプルで覚えやすいかもしれません。しかし、どちらのフォームも長所と短所があり、演奏しやすいポジションや弦がある程度決まっています。そのため、フレーズに合わせてフォームを使い分けられた方が、結果的には力みの少ない自然で楽な演奏になります。