マイクと直接接続できる多機能ボーカル用エフェクター(BOSS VE-20、DIGITECH VOCAL300)

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エレキギターをはじめとした様々な電子楽器では、エフェクターを利用することでリアルタイムに音色を加工することができます。そしてボーカルをマイクで拾う場合も音声信号を電気的に処理できるため、様々なエフェクトで音を加工することができます。
特に、ボーカル用のエフェクターではコーラスやピッチシフターによるハモリ、やまびこや残響音を加えるだけでなく、細かなイコライジングやピッチの変更、補正などを行うことが可能です。そこで、ここでは音声加工に適した、ボーカル用のエフェクターについて紹介していきます。
The Essential Effects for Vocalists (1/2) VE-20 "Vocal Performer"

BOSS VE-20

楽器用エフェクターの開発で非常によく知られる、BOSSのフロアタイプのボーカル用マルチエフェクターがVE-20です。その見た目はエレキギター用のツイン・ペダル・シリーズをそのまま継承した形となっていますが、ファンタム電源の供給が可能で、コンパクトな筐体には30のプリセットと50のメモリー領域が搭載されています。
The Essential Effects for Vocalists (2/2) VE-20 "Vocal Performer"
ボーカルを加工する上で特に役立つ機能といえば、ディレイやリバーブ、コンプレッサーやピッチ補正です。これらはボーカルに広がりを作ったり、音圧を出したり、僅かなピッチのズレを補正するのに役立ちます。本機はこれの機能を「ダイナミクス」、「ピッチ・コレクト」等といった形で内蔵しています。
また、本機はインテリジェント・ピッチ・シフターも内蔵しており、ある特定のスケールに沿ったハモリを手軽に加えることができます。これはエフェクターなしでは絶対に1人ではできないので、ボーカルをゴージャスにするならば必須の機能と言えます。

その他、ハモリとは別に自分の声を重ねていけるフレーズ・ループ機能、ラジオボイス、ロボットボイス機能など、ユニークなものも多く、ボーカル用のエフェクターとしては十分な性能を備えています。ただし、本機はUSB端子を備えていないので、PCでのレコーディングに使用する場合はオーディオ・インターフェースを別に用意する必要があります。
Digitech Vocal 300 Vocal Effects Processor Demo by Ozwald

DIGITECH VOCAL300

BOSSとは異なる、もう1つの有名なエフェクターメーカー、DIGITECHのボーカル用多機能マルチエフェクターがVOCAL300です。こちらはやや古い機種ですが、マイク用のプリアンプには真空管アンプを模したものがあり、他にも基本的なエフェクトを数多く内蔵しているのが特徴です。
また、DIGITECHと言えばピッチをペダルで手軽にシフトできるワーミーが有名ですが、本機にはボーカル用のワーミーが収録されています。更に、声を9種類のユニークなモデルに変化させる機能もあり、DIGITECHのユニークな技術がふんだんに盛り込まれています。

ただしボーカル用エフェクターの使用で気をつけなければならないのは、ボーカルをエフェクターで加工すると、音が後ろに引っ込んでしまったり、艶やかさが消えてしまうことがあるという点です。特にDIGITECHのエフェクトはどれも良くできていますが強烈な効果のものが多いので、全体とのバランスには注意する必要があります。

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