PCの性能を決定するCPU・メモリ・ドライブ

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PCには、演算装置であるCPU、短期的に使用するデータを保存するための主記憶装置であるメモリ、長期間データを保存するための補助記憶装置を組み合わせて使用します。ここではそれらとDTMの関連性について説明をしていきます。

Central Processing Unit(CPU)

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Intel Core 2 Duo E6600
作者 Jürgen Melzer
CPUはデータをプログラムの指令に従って演算する装置で、CPUの処理能力がPCの実際の性能に大きく関わります。
DTMにおいて、PC内のソフトウェアシンセサイザーが音を出力し、エフェクターがそれらの音源をリアルタイムに加工することが多々あります。そのため、より多くの音源を同時に出力・加工したり、複雑な処理をさせるためには、より強力なCPUパワーが必要となります。特に、楽器や空間をよりリアルに再現するものは、その再現性と引き換えにCPUだけではなく多大な性能を要求するの注意が必要です。
しかし、楽器を1つずつその都度録音していき、CPUの消費を抑えるといった小技を駆使することでリアルタイムを捨てる、といった回避策もあります。ただ、その分手間や手順が増えることになり、データの管理も煩雑になりがちなので難しいところです。

メモリ

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デスクトップPC用メモリ
作者 Cyberdex
メモリは外部記憶装置のデータを一時的に記録し、CPUとデータのやり取りを行います。メモリは外部記憶装置とは異なりCPUとのデータ転送速度が高速なため、大容量であればあるほど多くのデータをCPUに対して入出力することが可能です。
メモリの容量はDTMにおいて非常に重要な要素で、オーディオデータをリアルタイムに再生するためにはCPUの性能はもちろんですが、即座にデータを呼び出すための領域が必要となります。
高品質なオーディオデータを再生、加工するということは、膨大なデータ量を素早く計算することに他なりません。それらを計算するためには、数GBに及ぶプラグインをメモリに記憶させておく必要がある場合もあります。これらをリアルタイムに違和感無く再生するためには外部記憶装置から呼び出しているのでは間に合いません。そのためメモリの容量はDTMにおいて非常に重要です。
ただし、こちらもリアルタイムさを捨て、再生した音源をその都度録音し、プラグインを外して作業を続けるといった小技を駆使することは可能です。しかし、手間が格段に増えますし、シンセサイザーが動作しないといったこともありますので、良い方法ではないかもしれません。

外部記憶装置

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3.5インチハードディスクドライブ(左)とソリッドステートドライブ(右)
作者 Rochellesinger
PCでは、データを保存するために外部記憶装置が用いられますが、その形はいくつかあります。現在主流となっているものは、磁気と円盤を用いるハードディスクドライブ(HDD)と、USBメモリなどで見られるフラッシュメモリの技術を活用して半導体を利用するSolid State Drive(SSD)です。
これらを比較すると、HDDはSSDと比べ容量あたりの値段が安価ですが、SSDはデータの読み出し性能に優れています。そのため、OSやソフトウェアの起動やデータへのアクセス速度はSSDに分があります。
DTMにおいては様々な音源を様々な音程で再生する関係から、波形を記憶するための大きな容量が必要となります。特に高品質なもののデータ量は当然大きく、これらを複数保存し、素早く入出力するためにはそれなりのドライブ容量と速さが必要です。
また、市販のオーディオデータや録音したオーディオデータを加工しながら試行錯誤していくのがDTMにおける主な作業となります。そのため、実際に使用するデータ量は非常に大きく、これらは時としてメモリからドライブに移されていきます。その際にも容量の他にデータの入出力の速さが重要となってきます。

近年では、SSDの大容量化が進み、様々なメーカーから以前よりずっと安価に市販されるようになりました。HDDでも問題はありませんが、より快適にPCやDTMの使用を考えた場合、SSDも良い選択肢となるはずです。

ハードウェアシンセサイザーの需要

これまでの説明によると、DTMには非常に高性能で動作の安定したPCが必要不可欠のように聞こえます。これは間違いではありませんが、ハードウェアシンセサイザーを用いることで、PCへの負担を減らすことが可能です。また、モバイルPCと共に、あるいは様々な楽器を内蔵するマルチティンバー音源として手軽に楽しみたい、というユーザーの存在はハードウェアシンセサイザーの需要を生み、今でも様々な製品が作られる原動力ともなっています。
今回説明したCPU、メモリ、ドライブの性能もDTMにおいて大変重要なので、覚えておいて損はないかと思います。

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