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ギターの弦交換は、慣れていないとギターやパーツを壊してしまうのではないか、またはこのやり方が正しいのかどうか等、色々と考えてしまいがちです。ここでは、そういった方のために基本的な弦の交換方法について説明していきます。
フェンダータイプ、ギブソンタイプのギターの弦交換
フェンダータイプ(6 in 1)
作者 KeeperX7
ギブソンタイプ(3+3)
作者 Dante Alighieri
弦を外す
弦を新しいものに交換するためには、古いものを取り外さなければなりません。弦を取り外すためには、一般的にペグをまわして弦を緩め、糸巻きから外し、ブリッジ側から引き抜きます。フェンダータイプのギターはブリッジ裏のカバーが干渉して弦を抜き取れないことがあるので、その場合はドライバーでカバーを外します。
ニッパー付きペグワインダー
弦を外す際にはニッパーで弦を切断しても良いのですが、切る前には必ず弦を緩めるようにしてください。そうしないと弦が跳ねて危ない上に、ギターのネックに影響が出る恐れがあります。
ギターの清掃
フレットを磨く
作者 Punkettaro
ペグ、ストリングポスト、フレッドや指板、ボディやブリッジが汚れていたら、木材部分はレモンオイルやクロスで、金属部分は研磨剤等で清掃します。ギターの木材部分は乾燥が大敵で、指板などは弦の交換時にしかメンテナンスできません。そのため、弦の交換時についでにオイルを注しておくと良いと思います。
弦を通す
フェンダー・ストラトキャスターのシンクロナイズド・トレモロ・ブリッジ
作者 Zzerox
1弦から6弦まで揃っていることを確認し、ボディの裏にある穴などに弦を通していきます。弦は1弦から6弦になるにつれて太くなっていきますので、順番や穴の位置を間違えないようにします。フェンダータイプのギターの場合はボディの裏側から、ギブソンタイプのギターの場合はテールピースの穴から弦を通します。
レスポールのチューン・O・マチック・ブリッジ&ストップ・テイルピース
作者 Patrick Despoix
ストリングポストに弦を巻いていく
ダダリオのスーパーライトゲージ(.009~.042)
ストリングポストの穴に弦を通しつつ、実際に取り付けるペグの2つないし3つ先のペグを目安に、弦に折り目をつけます。この折り目の部分で弦をペグに巻きつけていくことになります。そして、折り目部分でペグに巻きつくよう弦を押さえながら、巻いていきます。ギブソンタイプの場合は、ヘッドの左右で巻き方が逆になるので気をつけます。
ペグ
このとき、だいたい3~4周ぐらいが目安となりますが、これが多すぎたり足らなかったりするとチューニングの狂いに影響が出るため注意が必要です。
また、チューニングを特に気にするのであれば、弦を通しているペグの穴の上下に弦を巻き、弦を固定すると、非常にお手軽で効果的にチューニングを安定させることができます。そして同じ手順で1~6弦まで全ての弦を張れたら、次にチューニングをします。
チューニング
クロマチックチューナー
始めは音叉やチューナー等を用いて簡単なチューニングだけしておきます。そして、ギターに張りたての弦は伸びて音程が狂いやすいので、弦を引っ張ったりチョーキングをして伸ばします。このとき、力を込めすぎて弦を切らないように気をつけます。
これを何度か繰り返したら、再び音叉やチューナー等を用いてしっかりとチューニングします。これで弦の交換は終了です。
フロイド・ローズ搭載ギターの弦交換
アイバニーズ、エッジ・プロ2のフロイド・ローズ
作者 Rodrigo César
フロイドローズを搭載しているギターでは、弦の交換方法がやや特殊です。こちらではフロイド・ローズでの基本的な弦交換方法を説明していきます。
弦を外す
ロック式ナット
作者 Rodrigo César
フロイドローズ型のギターはネックのナット部分に弦を固定するためのロック機構が備わっている場合がほとんどです。弦を緩める前に、このロックを六角レンチなどの工具で外していきます。それから、ペグを緩め、弦を1本ずつ外していきます。
また、フロイドローズのブリッジにも弦を固定するための機構があるので、これを緩め、弦を完全に取り外します。
弦を固定する
ギター(アコースティック)の弦と尾部のポールエンド
作者 Badagnani
弦の尾部にあるボールエンドは、フロイドローズユニットでの弦交換には邪魔になるため切断します。次に、弦をサドルに固定し、外れないことを確認してからペグに通していきます。それから、他のギターと同じようにペグに弦を巻きつけていきます。
チューニング
全ての弦を交換し終わったら、まずはチューニングを行います。フロイドローズの構造上、どれかの弦をチューニングすると他の弦の張りが変化するので、何度でもチューニングを行います。ここでしっかりと音程を合わせておけば、滅多なことではチューニングが狂わなくなるのでしっかりと行っておきます。
フロイドローズの構造とユニットの傾きの影響
作者 Freywa
チューニング後にブリッジが平行でなければ、ボディの裏のばねを固定しているねじを回し、ブリッジが平行になるように調整します。基本的にこのブリッジは平行状態が基本となっており、傾いていると弦高やオクターブチューニングに悪い影響を与えます。
そして弦高やオクターブチューニングに異常が無ければ、最後にロックナットを締め、チューニングのずれを微調整して作業は完了です。フロイドローズの利点を生かすためにも、特にチューニングには時間をかけておきたいところです。