エレキギターの撥弦楽器シミュレーター・エフェクター(BOSS・AC-3、ELECTRO-HARMONIX・Ravish Sitar)

5分で読めます。

弦をはじくことで音を出す撥弦楽器の1つ、エレキギターは、電気信号を利用することから様々なエフェクターを通して音色を自由自在に変化させることができます。そしてそのエフェクターの中には、他の撥弦楽器をシミュレートするユニークなものもあります。ここでは、そういった撥弦楽器シミュレーター・エフェクターについて紹介していきます。

BOSS・AC-3

AC-3 Acoustic Simulator [BOSS Sound Check]
エレキギターの音をアコースティックギターの音色へと変化させる、BOSSのモデリング技術の集大成の1つがBOSS・AC-3です。このエフェクターにはギターアンプ用のギター・アンプ・アウト端子とミキサー等へ信号を送るラインアウト用の端子を備えています。
この2つの出力端子は、エフェクトオン時にはラインアウトから、オフ時にはギター・アンプ・アウトから出力、といった形で使用することができます。そのため、配線を工夫すれば1台のギターで簡単にアコースティックサウンドとエレキサウンドを使い分けることができます。
また、AC-3には音の柔らかさを決める胴鳴りを調節するBODY、アタック感を倍音を調節するTOPのツマミもあり、アコースティックギターではできない様々な音色調整も可能です。
Boss AC-3 Acoustic Simulator
そして、BOSSのエフェクターはモード切り替えにより効果の強さや種類を切り替えられることが多いですが、AC-3もまた4種類のアコースティックギターの音色を選ぶことができます。4つのモードのうち、STANDARDとJUMBOはそれぞれアコースティックギターのドレッドノート・タイプとジャンボ・タイプの音色を再現します。また、ENHANCEはアタック感の強調を、PIEZOはエレクトリック・アコースティック・ギターなどにも搭載されるピエゾ・ピックアップを再現するものとなっています。

エレキギターとアコースティックギターはほぼ同じ楽器ですが、その音色は大きく異なり、それぞれ魅力的な部分を持っています。エレキギターを弾きながらアコースティックギターのサウンドも研究したい、または演奏時に即座に音色を切り替えたいといった場合に、こういったシミュレーターが役立ちます。

ELECTRO-HARMONIX・Ravish Sitar

Electro-Harmonix Ravish Sitar "No One Trick Pony" guitar pedals
インド発祥の弦・撥弦楽器シタールの音色を再現するエフェクターが、近年発売されたELECTRO-HARMONIX・Ravish Sitarです。シタールは「ミョーン」という独特な共鳴音が特徴的で、このエキゾチックな音色がこれまでジミー・ペイジやジョージ・ハリスンといった様々なミュージシャンを虜にしてきました。
Electro-Harmonix Ravish Sitar demo
Ravish Sitarは、エレキギターの原音、主音、共鳴音の大きさ、主音と共鳴音のエフェクトの掛かり方、キーとスケール等を設定することができます。更に、エクスプレッション・ペダルを使用することで主音の音程や共鳴音のエフェクトを調節できるので、ただシタールの音を再現するだけでなく、エレキギターらしい現代的な操作も行えるようになっています。

シタールは非常にユニークで魅力のある音を奏でる楽器ですが、入手と習得が困難です。その点、Ravish Sitarといったシミュレーターの場合、これまで培ったエレキギターの技術をそのまま流用することができ、細かく音色を調整することもできます。他のエフェクターと比較すると、こういったシミュレーターは高価で使用する場面が限定的になりがちですが、楽器や音楽の幅を広げるという意味でも、1度試してみる価値はあります。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。