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最近、日本ではスマートフォンの普及が急速に進み、ビジネスからプライベートまで、様々な目的でスマートフォンが使用されるようになりました。そのスマートフォンの市場を切り開いた立役者の1人がアップルのiPhoneで、今ではスマートフォンの代名詞ともなっています。
そのスマートフォンの機能性を支えているのが、世界中の開発者が日夜開発を続けている「アプリ」です。そして、エフェクターやアンプとなってエレキギターの演奏を助けるアプリも開発されるようになりました。ここでは、スマートフォン用マルチエフェクター、アンプ・シミュレーターを紹介していきます。
AmpliTube iRig – plug your guitar into your iPhone and rock out!
AmpliTube for iPhone/iPad
サンプラーのSampleTankやアンプ・シミュレーターのAmpliTubeで有名なIK MULTIMEDIAから発売された、iPhone用のエフェクター、アンプ・シミュレーターがAmpliTube for iPhone/iPadです。基本的な仕様としては、コンパクト・エフェクターを3つまで同時に使用することができ、アンプやキャビネット、そしてマイクの種類や設定を変更することで音作りができるようになっています。
例えば、AmpliTubeは、歪みのオーバードライブ、ディストーション、ファズ、音を揺らすコーラス、フランジャー、フェイザー、空間を作り出すディレイ、その他にワウ、エンベロープ・フィルター、オクターバー、ノイズフィルターといった11個のエフェクターを内蔵しています。
【1484.TV】 IKMultimedia AmpliTube iRig デモンストレーション
そして、clean、crunch、lead、metal、bassという5つのアンプとキャビネット、またダイナミックとコンデンサーの2つのマイクのモデリングが搭載されています。更に、スマートフォンであることを生かして、フェンダーやソルダーノといった有名なアンプやシグネチャーモデルのアンプ、エフェクターを簡単に購入できるようにもなっています。そのため、ギターとiPhone、接続用のiRigがあればこれだけで幅の広いギター演奏が楽しめます。
また、再生と録音に関してもiPhoneの基本的な性能を上手く生かしており、標準で1トラックのミキサーが、追加購入すればiPhoneを4トラックのミキサーとして使用することができます。このトラックにオーディオ・データを読み込めば、AmpliTubeの機能を使用しつつ演奏・作曲・編曲を行うことも可能です。
AmpliTube iRig / AmpliTube For iPad – Full – Your Guitar Tone On Your iPad
トラックにセットした音源の再生に関しては、ピッチを変えること無くテンポを1/2~2倍にしたり、再生音源のセンターを除去してボーカルをキャンセルすることも出来ます。更に、メトロノームやチューナーも内蔵しているので、AmpliTubeはiPhoneをエレキギターの演奏を助けるオールインワンな機械へと変えてくれます。
ただ、iPhoneはギターの入力端子を備えていないので、AmpliTubeを使用する場合は4000円程度のiRigを購入して接続することになります。また、AmpliTube自体が2000円程度、追加のアンプやエフェクターは数百円~1000円以下となっており、楽器の世界では安い買い物ですが無料ではありません。無駄な出費を抑えるなら、まずは、フリー版のAmpliTubeとiPhoneのマイクを使用して機能のテストしてみると良いかもしれません。
AmpliTubeをコンパクトエフェクターとして使用するためのiRig STOMP
ちなみに、iRig自体はMac用のオーディオ・インターフェースとしても機能するため、Mac製品とMac用のDAWやプラグインを持っていれば、こちらに流用することも出来ます。iRigはレイテンシ(音の遅れ)に関してiPhoneでも問題が無いように設計されているので、現行のMac製品でもiRigのレイテンシの短さは重宝するはずです。
正規品の可能性が高いiRig
しかし、iRigを購入する場合、偽造品が横行しているため、安価なものには注意が必要です。偽造品は、ケーブル先端のミニ・プラグが銀色、ギター入力部のリングが銀色または金色、本体がネジ留めされていない、ギター・アイコンがiRigロゴの下に寄っている、登録書が入っていないといった特徴があるようです。また、価格が極端に安く、並行輸入と記載されているものは偽造品の可能性が極めて高いと公式でもアナウンスされています。