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コンパクト・エフェクターは、極限までコストダウンを実現させた安価な製品から、最良の音を目指してコストを度外視したハンドメイド品まで、様々なグレードのものがあります。ここでは、より高品質・高音質な音色を目的とした、上位機種のリバーブ・エフェクターについて紹介していきます。
TC Electronic Nova Reverb guitar pedal demonstrated by …
TC ELECTRONIC・NR-1 Nova Reverb
高品位なエフェクター・アンプやオーディオ機器を開発する、TC ELECTRONICのスタジオクオリティを謳う高性能・多機能ステレオリバーブがNR-1 Nova Reverbです。仕様上の注意としては、本機は真空管を用いたりするハイエンドのペダルと同様に12Vの電圧を必要とします。そのため、付属のアダプタか同じ仕様のパワーサプライが必要不可欠です。
本機は設定を保存することが可能なプログラム機能を備えており、ディケイのツマミではリバーブの長さを、プリディレイではリバーブの始まる間隔を、カラーでは高音域のイコライジングを、ミックスレベルでは原音とエフェクト音の割合を決めることが可能です。
TC Electronic Nova Reverb
そして、ダイナミックスでは、ツマミをポジティブ方向に回すと連続したフレーズでリバーブの出力が抑えられ、フレーズ間でリバーブの出力が上がるようになります。一方、ツマミをインバース方向に回すとエフェクト音の抑制と増加が逆転します。このダッキング機能は、一般的にエフェクト音が原音をかき消すことを防ぐのに使用されます。
また、搭載するリバーブは大別するとルーム、スプリング、ホール、プレート、スペシャルの5つで、それぞれには再現する空間や材質が異なる3~4のタイプが用意されています。これらは、BOSS・RV-5の各モードが更に強化されて再分化されていると考えると分かりやすいと思います。
TC Electronic Nova Reverb
その他、本機はモードやエフェクトのオンオフでリバーブが途切れないリバーブ・スピルオーバー機能を備えています。これにより、エフェクターのオンオフを切り替える際の不自然さが低減されます。また、本機は音量に対する感度のキャリブレーションも可能で、これはエフェクトの性能を最大限に引き出すために用いられるなかなか珍しい機能です。
本機は定価5万円弱、実売価格2万円強と高価ですが、その音質や空間の広がりは圧倒的です。また、その使い方はシンプルで分かりやすく、直感的にセッティングが行えるのも長所です。そして、保存できるプリセット設定は1つまでですが、ソロとバッキング用といった形で2つのリバーブ設定を簡単に切り替えられるのも本機の魅力です。