エレキギターのハイエンド・ディレイ・エフェクター(LINE6・DL4、BOSS・DD-20)

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コンパクト・エフェクターは、極限までコストダウンを実現させた安価な製品から、最良の音を目指してコストを度外視したハンドメイド品まで、様々なグレードのものがあります。ここでは、より高品質・高音質な音色を目的とした、上位機種のディレイ・エフェクターについて紹介していきます。
Line 6 DL4 Delay Modeler

LINE6・DL4

アンプシミュレーターPOD等で御馴染みの、LINE6の多機能モデリング・ディレイ・エフェクターがDL4です。本機はLINE6の中では比較的古い機種で、そのサイズと専用アダプタの重量にはやや難があります。しかし、LINE6オリジナルのものからモデリングしたものまで、優秀な16種類のエフェクトを備えています。
本機を使用する際は、まずモデル・セレクト・ノブでディレイのモデルを選択します。それから基本的にディレイの間隔を決めるDELAY TIME、反射の回数を決めるREPEATS、モデルによってパラメータが変化するTWEAKとTWEEZ、そして原音とエフェクト音の割合を決めるMIXを調節していくことになります。
Message In a Bottle- Guitar Loop (Line 6 DL4)
また、これらとは別にループ・サンプラーも内蔵しており、カッティングやバッキングを録音し、再生速度を半分にしたり逆再生したりすることも可能です。ただ、その時間は14秒と十分ではありますが、最新のものと比べるとやや短めです。
ちなみに、本機はTC ELECTRONIC・NR-1 Nova Reverbのようにプログラムが可能で、最大で3つまで設定を保存することが可能です。また、本機はエフェクトオフ時に原音を損なわないトゥルーバイパス機構を備え、エフェクトを操作するためのエクスプレッションペダル用端子、ステレオ入出力端子備えており、ハードウェアとしての機能も十分です。

ただ、本機はディスプレイが無く細かな調整には向きません。また、本機はEP-1、EP-3、RE-101、DM-2、Deluxe Memory Man、2290といった多機能なエフェクトを内蔵しています。これらはどれも素晴らしいディレイですが、TWEAKとTWEEZには特殊な機能が割り当てられていることが多く、覚えるまでは説明書が手放せません。
DD-20 GIGA Delay [BOSS Sound Check]

BOSS・DD-20

かわいげのあるカラフルなコンパクトエフェクターで御馴染みの、BOSSの多機能デジタル・ディレイ・エフェクターがDD-20です。DL4が音質重視の無骨なアメリカンスタイルならば、こちらは様々な機能を持つ、細かな配慮が行き届いたジャパニーズスタイルのエフェクターです。
本機はDL4と一部共通する11種類のエフェクトを内蔵していますが、DL4には無い使い勝手の良さがあります。例えば、本機はディスプレイを搭載しているためディレイタイムの正確な調節が可能ですし、メモリー機能に関しては4つまで設定保存が可能で、それらの呼び出し方は数通り用意されています。
Boss DD20 vs Line 6 DL4 Delay
また、こちらは23秒まで録音できるサウンド・オン・サウンド機能を搭載しており、長時間の録音、ループ再生、音の重ね合わせができます。そして、ツマミを回す勢いでディレイタイムの変化量を増減できるタイム・アドバンス機能は、音作りに集中する際の不要なストレスをカットしてくれます。

その他、本機の説明書はそれなりの厚さですが使い方が細かく書かれています。そのため、説明書を片手に各機能を覚えるのに役立ちます。ただ、複雑な機能が無い代わりに、始めから使いやすいプリセットがすぐに呼び出されるDL4の方が操作は直感的かもしれません。

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