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現代ではエフェクターによる音の加工が様々な場面で行われており、楽器演奏用に開発されたものを含め、色々な機種が売られています。ここでは、エレキギター用に開発されたエフェクターの中で、現行・定番のルーパー・エフェクターについて簡単に紹介していきます。
RC-3 Loop Station [BOSS Sound Check]
BOSS・RC-3
小型で高性能な製品を数多く世に送り出してきた、BOSSの最大99種類のループ・フレーズ、合計で3時間の録音が可能なルーパーがRC-3です。本機はギターの録音と音を重ねていくオーバーダビングが可能な機種で、スピードを変化させて再生することも可能です。また、テンポの調節が可能な多くの内蔵リズム音源は、より正確な演奏、録音を助けます。
BOSS RC-3 Loop Station — Dave Weiner Demonstration
そして、性能面ではステレオ入出力、USBによるWAVデータ(44.1kHz、16ビット・リニア、ステレオ)のやり取りに対応しています。そのため、Windows、MAC関係なく、DAWとの連携やデータのバックアップができます。更に、これを利用して別の機器等に保存されているWAV音源をRC-3に移し、オーバーダビング、再生することも可能です。
その他、本機はAUX端子とフットスイッチ用の端子も備えており、こちらから別の音源を入力したり、スイッチを増やしてより正確なペダルの操作ができるようになっています。BOSSのフットスイッチは単純な機械ですが、対応する機器の機能を切り替えられるので何かと便利です。
本機の最大のメリットは、非常にシンプルなセットアップ、操作で自分の演奏を録音し、鑑賞できる点にあります。これは楽器だけでなくプレゼンテーションなどでもそうですが、自分が発表しているその時の自己評価と聴衆の評価がずれていることは良くあります。自分の演奏を客観的に聞いてみることで分かる長所と短所はたくさんあるので、録音の手順が簡略化されるのはとても重要です。
DigiTech JamMan Solo Looper Pedal
DIGITECH・Jamman SOLO
様々なデジタルエフェクターを開発していることで知られる、DIGITECHのコンパクト型ルーパーがJamman SOLOです。RC-3と比較すると、こちらは内部のメモリーで99のフレーズを35分までとやや短めです。しかし、こちらは最大32GBまでのSDカードに対応しており、8GBのSDカードを装着すると99フレーズ、仕様の限界の最長16時間まで録音することが可能です。
DigiTech JamMan Solo Demo by Matt Calder
また、こちらもUSBによるによるデータの管理、他の音源を入力できるAux Input、フレーズのテンポを変更するタイム・ストレッチ機能、リズムマシンといった、RC-3と共通する便利な機能を備えています。そのため、シンプルで簡単に自分の演奏を録音し、弱点を探したり練習を重ねることが可能です。
ただ、容量では優るJamman SOLOですが、レコーディング自体はモノラルミックスされるなど、RC-3に劣る部分もあります。また、データの管理にソフトウェアを用いますが、RC-3のファイル名と同様に漢字、全角ひらがな、全角カタカナへ完全に対応していません。こういうことは忘れてしまいがちなので特に注意です。
その他、BOSSとは異なりマニュアルが英語であること、そしてRC-3もそうですが電源の消費が激しいので、ACアダプタの使用が強く推奨されているということも忘れてはいけません。ちなみに、実売価格ではJamman SOLOの方がやや安価な傾向にあります。