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様々なエフェクターを直列・並列に繋ぎつつ、設定や音作りに没頭するのは非常に楽しいものです。しかし、時にはこれらが億劫になり、簡単なセッティングでギターと触れ合いたくなることがあります。
また、アンプやスピーカー部は電気で動作する楽器の最終的なアウトプット部分ですが、使用するためには電源が必要です。電源が確保できない屋内外では電源を延長することになりますが、これにも限界があります。これらの問題を解決し、更にPCとの親和性を高めたコンボアンプがYAMAHA・THR5です。
THR紹介ビデオ
YAMAHA・THR5
5つのモデリングされたアンプ、計8つの揺らし系・空間系エフェクト、そしてUSB端子を備えた、現代的な小型多機能ギターアンプがYAMAHA・THR5です。そのルックスは金属製の筐体とアンプヘッドのようなデザインが特徴で、スイッチを入れると内部がオレンジ色に光るところは真空管を意識した作りとなっています。
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また、本機は外見だけでなく音の増幅でも真空管を意識したデザインとなっており、BOSS(Roland)が「COSM」、BEHRINGERが「RSM」ならば、ヤマハは独自の「VCMテクノロジー」で真空管をシミュレートします。更に、VCMテクノロジーで再現したコーラス、フランジャー、フェイザー、トレモロと、同社のミキサーにも採用されている高品位なディレイ・リバーブの2系統を同時に使用することが可能です。
THR session
他の機能面では、本機は左右5Wのステレオ出力に対応しており、USBやAUX端子から入力された他の音源を再生することができます。これを補助するための機能として、ヤマハ”Hi-Fi”オーディオテクノロジーが採用されており、ギターアンプでありながら各音源の各音域を忠実に再生します。また、専用のエディターではアンプの設定を、スマートフォン上のTHR Sessionでは音源のコントロールが可能です。
Jean-Ken JohnnyがTHR5を語る!
そしてこれは現代のギタリストには重要ですが、本機は無骨な見た目に似合わずUSBオーディオ・インターフェースとしても機能するので、入力された信号をUSBを介して録音することが可能です。更に、本機は弾き語り等にも役立つように単三電池で駆動させることができ、チューナーも内蔵しています。
単純な比較はできませんが、LINE6のPOCKET PODがモデリングアンプ、エフェクトの数で優れるならば、THR5は堅牢な筐体とルックス、コンボアンプ型の手軽な操作性が魅力です。また、RolandのCUBEシリーズは本機と競合する性能を持ちますが、PCとの手軽な連携はできません。その点、本機は様々な目的にマッチする非常に良く出来たギターアンプなので、万能なものを求めるならばこれが最有力候補となるはずです。