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現代において、パーソナルコンピュータを駆使した録音が音質を誇るならば、フラッシュメモリを採用しているMTRは手軽さや持ち運びの面で優位性を誇ります。更に、現在発売されているMTRは、シンプルな操作性を追求したモデルからDAWとの連携を図った多機能なものまで、様々なものがあります。ここでは、そういった現代的MTRについて、簡単に紹介していきます。
TASCAM DP-008 8-track Digital Portastudio
TASCAM DP-008EX
DP-008EXは2トラックの同時録音と8トラックの同時再生が可能な、単純な操作性を追求した持ち運びにも優れる小型MTRです。本機は超小型のMTR機能付きハンディ・レコーダーとは異なり、様々なツマミやボタンを備えたシンプルで簡単な操作性が魅力です。更に、感度を調節できる内蔵の無指向性コンデンサー・マイクによって、閃いたメロディを手軽に瞬時に記録できるのも強みです。
そして内蔵のコンデンサー・マイクだけでなく、本機はファンタム電源の供給が可能なXLR端子を2つ持ちます。そのため、これらの端子を介して単一指向性のコンデンサー・マイクを使用すれば、様々な楽器やボーカルを無指向性よりノイズレスにレコーディングすることができます。ただしファンタム電源を利用すれば、その分だけ電池の残量が減るので注意が必要になります。
また、本機は内蔵のリバーブエフェクトの他にチューナーとメトロノーム機能を持ち、マスタリング機能とそのためのエフェクトも内蔵しています。更にUSB接続でデータをPCに移すことができるので、本機単独でも本格的な楽曲制作が可能です。ちなみに、本機は録音したデータはCDレベルの16bit/44.1kHzとなります。もしこれ以上の音質を望む場合は、手軽さや機能性、音質、価格を天秤にかけることになります。
R8 PRODUCT VIDEO
ZOOM R8
R8はMTRとしての機能の他に、オーディオ・インターフェイス機能とDAW用のフィジカルコントローラー、パッド付きのサンプラーとしても働く多機能なアイテムです。特に、これまで紹介してきたMTRとは異なり、本機はDAWの再生や録音、フェーダーをそのまま操作することができます。そのため、本機はMTRに求められる本来の機能とは別の形で、楽曲制作を手助けしてくれます。
更に、本機は8つのトラックにデータをアサインし、パッドにより音を手軽に再生することも可能です。そしてこれに対応するように、本機のSDカードには500MB分のドラム音源が収録されているので、パッドを使用しなくても様々なリズムトラックを作成・再生することができます。
その上、本機はチューナーとメトロノームの他に、アンプやエフェクターのシミュレーターとしても機能します。ただし、R8は同時に2トラックまでしか録音できないので、生演奏をしっかりと録音するというよりは自宅などでのレコーディングが主目的となります。
R16 PRODUCT VIDEO
ZOOM R16
R16はR8では2つまでだった同時録音数が8まである、より高機能なMTRです。こちらの機種は非常に凝った機能の1つである、USBシンク機能を備えているのが特徴です。これは2つのR16をUSBで接続することで最大同時録音数を倍増させるというものです。こういった特殊な機能だけでなく、本機はUSBメモリと直接データをやり取りするといった基本的な機能も備えています。
ただし、R16にはリズムマシンやサンプラーとしての機能はありません。これらの機能は触ってみるとなかなか面白いのですが、純粋にMTRとしての機能を求めるならばそこまで必要なものではないかもしれません。
また、R16はオーディオ・インターフェイスとして使用するならば96kHzまで対応しますが、レコーダーとしては24bit/44.1kHzまでの対応です。こういった面でのこだわりがある場合、MTRの選択はオーディオ・インターフェイスと同様に特に注意が必要です。