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日本は季節に恵まれた国ですが、その影響で環境の変化が大きく、梅雨と夏は高温多湿で、秋と冬は非常に乾燥します。そしてギターは、そのパーツのほとんどが木材と金属で構成されており、湿度や温度の影響を受けて状態が変化します。ここでは、ギターを良い状態に保つための管理・保管方法について説明します。
湿度
雨
作者 Tomasz Sienicki
湿度は、特にギターの状態に大きな影響を与えます。例えば、湿度(相対湿度)が60%を上回って高くなりすぎると、フレットや弦、ペグ、スイッチ、ブリッジといった人が触れる金属部分が錆びやすくなります。そして、木材は水分を含みすぎて膨張し、ネックが反ることもあります。
一方、湿度が40%を下回って低くなりすぎると、木材部分の水分が失われて乾燥し、収縮します。その結果、ネックが反ってしまったり、ひどい場合には指板が割れたり、フレットが浮き出てくることもあります。
影響を受けやすい木材、塗装
乱伐が進み、複数の国で輸出や取引が禁止されているエボニー
作者 Rajaramraok
ギターの指板には、ローズウッド、エボニー、メイプルといった木材が使用されます。ローズウッドやメイプルは乾燥に強いのですが、高級なギターに用いられることが多いエボニーは繊細で、湿度が下がりすぎるとひび割れることがあります。
また、ギターに施されている塗装としては、主にポリウレタン塗装とラッカー塗装があります。ポリウレタン塗装は状態の変化に強いのですが、高級ギターに施されるラッカー塗装はかなりデリケートで、こちらも乾燥しすぎると割れてしまいます。
対策
温度・湿度計付きメトロノーム
ギターにはクラシックからエレキまで様々な種類がありますが、その適正な湿度は、おおよそ40%から60%、更に厳密には50%前後とされています。この適正な湿度内でギターを管理するためには、まずは湿度計を使用して現在の湿度を確認する必要があります。その後、ギターを保管するケースや部屋に乾燥剤を配置する方法が一般的な手順です。
乾燥剤
また、湿度は直射日光や風通しの影響によっても変化します。そのため、ギターを保管する場所はできるだけ日光を避けることができ、かつ湿度が高くなりすぎない風通しの良い場所が適しています。そして、ギターをケースに入れっぱなしにせず、定期的に状態をチェックしながら弾くことを心がけておくと、悪化の早期発見、早期治療を行うことができます。