サウンドフォントを使用するためのVSTi(SFZ、SFZ+ Professional)

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比較的最近のキーボードには、midi端子だけでなくUSB端子が搭載されています。そのため、PCと接続してDAW(デジタル・オーディオ・ワークステーション)等を利用することで、世界中のミュージシャンやエンジニアが録音・作製した音源を使用することが可能です。
DAWに関しては有料のものがほとんどですが、日本製のMSPや、海外製ですが市販のものと同等がそれ以上の能力を持つReaper(ただしフリーなのはバージョン1.00未満のみ)といったものがあります。
こういったDAWで使用できる追加の音源は有料やドネーションウェアのものも多いですが、無料で気軽に試せるものも多くあります。それらの中で、サウンドフォントは世界中の有志が生音等を録音して作成した音源で、リアルさと拡張性の高さに優れています。
そこで、ここではまずSteinberg’s Virtual Studio Technology(VST)で作られた、サウンドフォントを利用するためのVSTiについて紹介していこうと思います。

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sfzのインターフェイス画面

SFZ


sfzは定番のDAW、SONAR等の開発で知られるcakewalkがフリーで配布しているVSTiのサウンドフォントプレイヤーです。sfzは見た目も機能も非常にシンプルですが、動作も軽快で数GB超のサウンドフォントを読み込むことが可能です。
sfzで読み込むことができるのは、「*.sfz、*.sf2、*.wav」といった種類のファイルです。*.sfz形式はベロシティに対する感度や使用するwavファイルを決めるための設定ファイルとなっており、別に音源を必要とします。一方、*.sf2は音源を内蔵しているタイプで、こちらはこのファイルだけで音を出力することができます。

sfz sf pr dfd.JPG

SF32、SF16、PR32、PR16、DFD
また、SF32、SF16、PR32、PR16、DFDという設定は、それぞれ音色のロード方法とそのbit数を決定するものとなっています。例えば、SFはサウンドフォント内の音色全てを、PRは選択された音色だけをメモリにロードします。そのため、PRを選んでいる際に音色を変更すると多少の読み込み時間が生じます。そしてこれらの後に続く数字は読み込む際のbit数となります。
それからDFDはやや特殊で、サウンドフォントの音色をディスクドライブから直接読み込みます。これらの設定はどれも一長一短があり、32はCPUの負荷が比較的軽い代わりにメモリを消費します。一方、16はCPUの負荷が比較的高い代わりにメモリはあまり消費しません。そのため、CPUの負荷が原因で音が途切れたりメモリの容量が少ない場合はこれらをその都度設定することになります。

Reaperでのsfzの使用

Reaperは細かな認証などが必要なく、ダウンロードしてすぐに使用/試用することができる非常に利便性の高いDAWです。しかし、sfzとは相性があまり良くないことが知られており、Reaperとsfzを組み合わせて本格的に使用する際には一工夫が必要です。
まず、Reaperでsfzを1つだけ起動する場合は特に動作に問題はありません。ただし、複数のトラックでそれぞれsfzを呼び出す場合、それぞれのトラックのメーターが振り切れて爆音が生じるかあるいは音が出力されなくなります。そのため、通常の使用方法では複数のサウンドフォントを利用することができず非常に不便です。

reaper and sfz.JPG

separate process、dedicated processとBuggy plugin compatibility mode
この問題は、VSTiを呼び出す画面で右クリックを使用し、run asから「separate process」あるいは「dedicated process」を選び、sfzを起動することで回避することができます。また、もしReaperの最近のバージョンを使用している場合は、run asの下部にある「Buggy plugin compatibility mode」を選ぶことでも問題を解決することが可能です。
その他に、Reaper限定の問題では無いかもしれませんが、sfzでサウンドフォントを読み込む際には、メモリの容量が十分であっても「 Not enough memory to load soundfont」と表示されることがあります。もしこのエラーが起こる場合はPR32やPR16を選ぶことで回避することができるようです。

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sfArkのインターフェイス

SFPackとsfArk

SFPacksfArkはそれぞれsfpack形式のファイルとsfark形式のファイルを解凍するためのソフトウェアです。サウンドフォントはこれらの形式で圧縮されていることがあり、その場合にはこれらの専用解凍ソフトを使用する必要があります。そのため、これらはサウンドフォントをDTMに利用しようと考えている場合には必携のソフトの1つかもしれません。

SFZ+.JPG

sfz+のインターフェイス画面

SFZ+ Professional


SFZ+ ProfessionalはかつてSFZの上位版にあたるものとして有料で販売されていた、vstiのサウンドフォントプレイヤーです。sfz+は「*.sfz、*.wav」といった形式のファイルを同時に16chまで読み込むことができ、エンベロープやエフェクトを調整できるのが大きな特徴となっています。

sfz+ create account.JPG

ログインとアカウント作成画面
ただし、こちらはダウンロード方法がやや複雑で、ユーザー登録をしつつ$0.00となっているSFZ+を購入する必要があります。方法としては、まずCreate Accountで自分の情報を入力し、買い物が出来る状態にします。それから、sfz+を検索画面等から探し出し、sfz+をカートに加えます。そして$0.00の支払いを行い、「My Registered Products」から、sfz+をダウンロードします。

sfz+ download.JPG

sfz+の商品画面
ただし、sfz+は*.sfz形式を読み込むことができないため、いくつかのサウンドフォントの利用が制限されるかもしれません。そのため、sfz+を使用していく場合、使用するサウンドフォントによってはsfzとの併用が必要になってくると思います。

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