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DAWやMIDIの編集用ソフト(シーケンサ)にノート(音)といったMIDI情報を入力する場合、マウスやPC用キーボードの使用は最も手軽です。しかし、これらは和音の同時入力には向かず、慣れていなければ手間や時間が掛かります。
そこで役に立つのが、ピアノの鍵盤を模したMIDIキーボードです。ただ、MIDIキーボードには様々な種類があり、それぞれ鍵盤数や大きさ、重さ、鍵盤のタッチ感などが異なります。これらのうち、よりピアノの鍵盤に近いものほど大きく、重く、価格が高くなります。反対に、鍵盤数が少なくなり、タッチ感が簡略化されたものほど、軽く、安くなっていきます。
そして、安価なモデルは、必ずしも全ての面において高級機より劣るということはありません。例えば、タッチ感を省略して鍵盤数を減らしたものは、小さく軽いため、机のスペースを取らず、片付けるのも簡単で、持ち運びにも優れています。
そこで、ここでは携帯性と省スペースを重視した、ドラムやベースのリアルタイム入力や、和音の順次入力に適したMIDIキーボードを見ています。
Korg nanoKEY2 – Quick demo
KORG・nanoKEY 2
様々なシンセサイザーや音楽機器を開発・販売している、KORGの小型軽量USB-MIDIキーボードがnanoKEY 2です。本機は、幅325mm、奥行き83mm、高さ16mm、重さ244gという、PCのキーボードを意識した薄型軽量のデザインが最大の特徴です。そして、鍵盤数は25で2オクターブ分あるため、テンションを含めた複雑な和音の入力が可能です。
Korg Nanokey2 – noodling with reason 5
また、非常に薄型で鍵盤のタッチではありませんが、本機はベロシティ(入力の強弱)に対応しています。その上、強弱に対する反応性を、弱く弾いても音が強くなるLight、Normal、強音が出にくいHeavy、ベロシティ固定のConstから選ぶことができます。
そして、本機は小型ながらMIDIキーボードの基本的な機能である、鍵盤の音の高さを切り替えるオクターブ・シフトや、半音単位で鍵盤の音を切り替えるキー・トランスポーズを備えています。
その他、やや上級な面白い機能として、本機は押した際にあらかじめ設定しておいたピッチベンドやモジュレーションを実行する、PITCH-/PITCH+ボタンやMODボタンを備えています。また、ピアノのサスティン・ペダルに対応する、SUSTAINボタンもあります。これらを上手に活用すれば、楽器の奏法を真似たリアルなMIDIの入力も不可能ではありません。
Korg MicroKey 25 Review: No-Nonsense Awesomeness
KORG・microKEY-25
同じくKORGが販売している、小型のMIDIキーボードがmicroKEY-25です。こちらはより鍵盤らしいフォルムですが、サイズは幅395mm、奥行き131mm、高さ53mm、重さ650gとなり、高く、重くなっています。それでも、本機はnanoKEYと同じくUSBの電源のみで動く小型のMIDIキーボードであり、様々な場所でのMIDI入力をサポートしてくれることには変わりありません。
本機には、基本的なオクターブ・シフトのボタンや、ピッチベンドやモジュレーションを操作するためのジョイスティックが備わっています。また、こちらはベロシティの反応性を9つの設定から選ぶことができます。
Korg MicroKey25 demo
そして、本機には入力した和音を元に順に音を出す、アルペジエーター機能があります。これはジョイスティックと連動しており、組み合わせて使用することでアルペジオのパターンや音の長さを操作することができます。また、こちらはiPadとの接続にも公式で対応しており、デスクトップPC、ノートPC、タブレットと接続する端末を選びません。
その他、本機は様々な音色を内蔵しているレトロなシンセサイザーのM1、EzDrummer、Lounge Lizard Session、といった音源のライト版がバンドルされています。これらは単体でも機能する他、DAWにも組み込むことができるので、音色の幅を広げるのに役立ちます。
まとめ
小型のキーボードは軽量、携帯性の高さ、省スペース、価格の安さが最大の魅力です。ただし、25鍵盤のMIDIキーボードは2オクターブ分の鍵盤しか無いため、和音を交えつつリアルタイムに演奏するような用途には向きません。
しかし、小型MIDIキーボードはベースや単音(モノフォニック)のシンセサイザー、フルートといった単音の楽器、ドラムの入力や演奏には役立ちます。また、これらはDTM用のアイテムとしては破格の値段であり、目的に合致するなら、これほどコストパフォーマンスに優れたMIDIキーボードはありません。