山下達郎/高気圧ガールのDメロでも採用されているコード進行のパターンと分析

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コード進行

D6 | DM7 | AM7 | A6 |
D6 | DM7 | AM7 | A6 |
D6 | DM7 | AM7 | A6 |
D6 | DM7 | Bm7/E | Bm7/E A6 |
A#dim F#7 |

ディグリーネーム

Ⅳ6 | ⅣM7 | ⅠM7 | Ⅰ6 |
Ⅳ6 | ⅣM7 | ⅠM7 | Ⅰ6 |
Ⅳ6 | ⅣM7 | ⅠM7 | Ⅰ6 |
Ⅳ6 | ⅣM7 | Ⅱm7/Ⅴ | Ⅱm7/Ⅴ Ⅰ6 |
♭Ⅱdim Ⅵ7 |

機能

SD(Ⅱm7の異名同和音) | SD | T | T(Ⅵm7の異名同和音) |
SD(Ⅱm7の異名同和音) | SD | T | T(Ⅵm7の異名同和音) |
SD(Ⅱm7の異名同和音) | SD | T | T(Ⅵm7の異名同和音) |
SD(Ⅱm7の異名同和音) | SD | SD/D(Ⅴ9sus4の異名同和音) | SD/D T(Ⅵm7の異名同和音) |
(Ⅵ7の代わりとなるコード) T(Ⅱに対するD) |

分析

今回はAの長調を主調とした、明るく浮遊感のある、繋ぎのコード進行です。テクニックとしては、シックス・コード、ドミナントの代わりとなるⅡm7/Ⅴ、セカンダリー・ドミナントⅥ7とその代わりとなる♭Ⅱdimが登場します。
まず1~12小節目を通じて、コード進行は「Ⅳ6→ⅣM7→ⅠM7→Ⅰ6」を繰り返します。ここでは、サブドミナントのⅣ6とⅣM7から、トニックのⅠM7とⅠ6へ進行しています。ただし、Ⅳ6はサブドミナント代理のⅡm7の、Ⅰ6はトニック代理のⅥm7の異名同和音です。そのため、コードの響きは穏やかに、しかし確実に変化しています。
そして、13~16小節目では「Ⅳ6→ⅣM7→Ⅱm7/Ⅴ→Ⅱm7/Ⅴ→Ⅰ6」とコードが進行します。ここでは、ドミナントのⅤ9sus4の代わりとなるⅡm7/Ⅴが登場することで、緊張感なしにトニックが導かれています。また、Ⅰ6は次の♭Ⅱdimと共通の音を2つ、半音で接する音を2つ持ち、比較的滑らかに音が繋がっています。
それから繋ぎの17小節目では、「♭Ⅱdim→Ⅵ7」とコードが進行します。このうち、Ⅵ7はⅡを導くセカンダリー・ドミナントで、他調のドミナント・セブンスでもあります。そして、♭ⅡdimはⅥ7の代理コードとも呼べる存在で、Ⅴ7に対するⅦdim(Ⅶm7-5)という位置付けです。このような関係から、「Ⅰ6→♭Ⅱdim→Ⅵ7」では生々しくも優しげな響きが生まれています。
こうして最後は、ドミナント・セブンス・コードのⅥ7がⅡを導きつつ、コード進行が一区切り付きます。

まとめ

今回のコード進行では、シックス・コードを活かした浮遊感のある「Ⅳ6→ⅣM7→ⅠM7→Ⅰ6」が登場しました。シックス・コードは代理コードの異名同和音になりやすく、コードの構成音が隣接して動きます。そのため、音の繋がりが自然でありつつ、マンネリ感を解決することができます。
また「♭Ⅱdim→Ⅵ7」は、他調のセカンダリー・ドミナントとその代わりとなるコードを組み合わせた、ユニークなカデンツです。この「Ⅶdim→Ⅴ7」から分かるように、Ⅶdim(Ⅶm7-5)は様々なドミナント・セブンス・コードと組み合わせることができるので、覚えておいて損はありません。

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