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ハードディスク容量や処理速度等のコンピュータ性能が向上した現在では、音源をソフトウェアとして扱い、DAW等でコントロールする方法が一般的です。一方、様々な音源を内蔵したハードウェア音源の開発は、現在ではほぼ停滞しています。
これは、ハードウェア音源にはハードとしての開発・製造・材料費が上乗せされて割高になる、単独のハードとして故障する可能性がある、面積を取る、といった弱点があるためと考えられます。
しかし、現在のハードウェア音源はUSBオーディオ・インターフェイスとして機能する他、本体が信号を処理するので性能が低い安価・小型のコンピュータとの相性が良好です。その他にも、ハード音源はMIDIキーボードがあればコンピュータを介さなくても気軽にシンセサイザーとして利用することができます。
そのため、ハードウェア音源を利用すれば、思いついたフレーズをすぐに試したり、楽曲の下書きを作る環境を手軽に構築できます。そこで、ここでは比較的入手しやすく扱いやすいハードウェア音源を紹介していきます。
Modulo de som SD-50 – Timbres Roland ao seu alcance
ROLAND・SD-50
音楽用の機材を手広く扱っている日本の世界的メーカー、ROLANDが開発したUSBオーディオ・インターフェイス機能を持つハードウェア音源がSD-50です。本機は持ち運びを考慮した800gという小型のハードウェア音源で、ACアダプタや電池、USBからの電源供給で動作させることが可能です。
また、本機には比較的安価なDAWソフトであるとMUSIC CREATOR 5と、オーディオやMIDIループが同梱されています。そのため、最初に覚えることは多いのですが、説明書さえ読めば楽曲の制作を比較的楽に始めることができます。ちなみに、本機はMIDIコントローラとしても機能するので、本体のパネルからDAW上の楽曲の再生や停止といった操作を行うことも可能です。
Modulo de som Roland SD-50 – Apresentação
そして、本機はマイク・ギター用の入力端子を利用することでPCに演奏を録音することができます。ただし、マイク・ギター入力用のフォン端子とマイク用のXLR端子を同時に使用することはできないので注意が必要です。その他、MIDIインターフェイス機能やUSBメモリを利用したオーディオ・プレイヤー機能など、場面を選びますが拡張性もあります。
DTMのセットアップはどれも複雑ですが、本機のシステムは比較的簡単な部類に入ります。また、後々に高性能・高音質のソフトウェア音源を導入する場合にも、下書き用の音源、またはオーディオ・インターフェイスとして機能させることができます。そのため、使い勝手を考えるとハードウェア音源であるSD-50は決して悪い選択肢ではないはずです。