エレキギターの定番ディストーション・エフェクター(MXR・Distortion+、Pro Co・Rat2)

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現代ではエフェクターによる音の加工が様々な場面で行われており、楽器演奏用に開発されたものを含め、色々な機種が売られています。ここでは、エレキギター用に開発されたエフェクターの中で、現行・定番のディストーション・エフェクターについて簡単に紹介していきます。

MXR・Distortion+

MXR M104 Distortion + Demo Video
Distortion+は1975年に発売されたディストーションの先駆けとなったエフェクターです。ギタリスト、ランディ・ローズの使用で有名な本機は、発売から数十年が経った今でもディストーションの定番の1つとして製造・販売されています。
Distortion+は、以前紹介したBOSS・SD-1を更にシンプルな構造にし、より歪みの上限を上げたような印象です。また、歪みがピッキングの強弱に反応しやすく、中音域を強調するという点、そして音が荒々しいところもSD-1に似ているように感じます。
Distortion+はそういった音色を作り出すことに優れている反面、音の強弱を潰して中音域を抜き、低音域と高音域を強調するドンシャリなディストーションとは異なります。ギターやそのピックアップの種類にもよりますが、重低音を轟かせるエフェクターを探している場合、Distortion+はその候補から外れることもあるかもしれません。
また、本機は非常に素直なディストーションペダルなので、他のペダルをブースターにして特徴付けをしたり、また本機をブースターにして他の歪み系ペダルの味付けをするのにも優れていると感じます。

Pro Co・Rat2

PROCO RAT 2- GEAR UP
もう1つの定番ディストーションが、1978年発売の「The RAT」にLEDランプが取り付けられて改修された、1981年発売のRat2です。こちらはジェフ・べックが愛用したことによって世界的定番となったディストーションペダルで、3つのノブで様々な音色を作ることが可能となっています。ただし、電力を供給するプラグ部分の仕様がやや独特なため、電池以外での使用には基本的に変換ケーブルが必要です。

Rat2もまたピッキングの強弱が反映されやすいディストーションペダルですが、最も特徴的な部分は3つのノブによる音色の可変幅が非常に広いということです。ちなみに、Filterは他のエフェクターでいうToneにあたるものですが、Rat2は他とは逆で、右に回せば回すほど高域がカットされていきます。
Rat2は良く歪む上にその幅も広く、ピッキングの強弱による雰囲気作りに優れますが、Filterやディストーションの幅が広すぎるので最適なセッティングを探すのに手間がかかります。これは一例ですが、私のギターではディストーションのノブを10時より上にするとすぐに音が潰れてメリハリがなくなるため、9時の位置がちょうどよい感じでしょうか。また、Filterを9時より下げると音がスカスカになりますが、3時以降でも音がモコモコと太くなりすぎます。
Rat2にはこういった面倒さはありますが、しっかりと調整すれば良い歪みが作り出せるので、気になったらとりあえず試してみる価値のあるエフェクターといえます。

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