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コーラスはその名の通り複数人が演奏しているかのような効果を音色に与えます。エレキギターの演奏においては、このコーラスの効果は音を重厚・きらびやかにするだけでなく、楽曲全体に広がりを与えます。ここでは、現行のコーラス・エフェクトの定番機種について、紹介していきます。
BOSS・CE-5とCH-1
CE-5 Chorus Ensemble [BOSS Sound Check]
最も古くからあるコーラス・エフェクターCE-1の発展・改良形がBOSS・CE-5です。CE-5の特徴は低域と高域をコントロールする2バンドのフィルターが備わっていることで、これにより各音域をターゲットに幅の広い音作りが可能となっています。
また、BOSSのCE-5とCH-1はアウトプットが2つあり、一方はエフェクトの掛かったウェット音、他方はそのままのドライ音が出力されます。これは自然なコーラスを実現させるためのもので、それぞれをアンプで出力して空間で掛け合わせると、心地の良いコーラスが掛かります(空間合成方式)。
CH-1 SUPER Chorus [BOSS Sound Check]
そして、ある程度まではコントロールすることが可能ですが、CE-5のコーラスはCH-1と比較すると野太さがあります。これは、クリアで繊細な音を表現するのに長けているCH-1とは対照的です。ただし、CH-1は切れのある非常に素直なコーラスですが、その代わりにややインパクトには欠けるかもしれません。
CE-5とCH-1はどちらもオーソドックスなコーラスです。どちらかを選ぶなら、それぞれの音が演奏する楽曲の雰囲気やギターに求められる音色に合うかどうかで判断すると良いと思います。
ELECTRO-HARMONIX・SMALL CLONE
Small Clone – Demo by Dan Miller – Analog Chorus
音のうねりの深さを決めるデプス切替スイッチと、音の揺れ方を決めるレイトのノブしか持たない、非常にシンプルなコーラス・エフェクターがELECTRO-HARMONIX・SMALL CLONEです。ちなみに、アダプターから電源を供給する場合は、一部の他の海外製エフェクター同様に変換アダプターが必要となります。
ミニプラグの変換アダプター
SMALL CLONEはそのシンプルさゆえに音作りの幅が比較的狭い方ですが、コーラスの掛かりや音の広がり方は抜群です。ただし音が広がりやすいため、極端にリズミカルな演奏には不向きな部分があるかもしれません。
また、コーラスはエフェクトがあまり強く掛かっていると不自然な音になりますが、SMALL CLONEはエフェクトの掛かりが強い傾向にあるので、使用する場合は注意が必要です。そういった点を把握しておけば、SMALL CLONEはシンプルな操作性と優れたコーラス・エフェクトを備えた良い相棒となるはずです。