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コード進行
Eadd9/C# | Eadd9/C# | B/D# | B/D# |
 Eadd9/G# | Eadd9/G# | B/F# | B/F# |
 Eadd9/C# | Eadd9/C# | B/D# | B/D# |
 F# | F# | F# | F# |
ディグリーネーム
Ⅳadd9/Ⅱ | Ⅳadd9/Ⅱ | Ⅰ/Ⅲ | Ⅰ/Ⅲ |
 Ⅳadd9/Ⅴ | Ⅳadd9/Ⅴ | Ⅰ/Ⅴ | Ⅰ/Ⅴ |
 Ⅳadd9/Ⅱ | Ⅳadd9/Ⅱ | Ⅰ/Ⅲ | Ⅰ/Ⅲ |
 Ⅴ | Ⅴ | Ⅴ | Ⅴ |
機能
SD/SD(Ⅳ6add9の異名同和音) | SD/SD | T/T | T/T |
 SD/SD(Ⅳ6add9の異名同和音) | SD/SD | T/D | T/D |
 SD/SD(Ⅳ6add9の異名同和音) | SD/SD | T/T | T/T |
 D | D | D | D |
分析
今回はBの長調を主調とした、眩しく、浮遊感がありつつも、重々しい雰囲気のコード進行です。テクニックとしては、テンション・コードadd9、シックス・コード、オンコードと転回形が登場します。
 まず、1~8小節目では「Ⅳadd9/Ⅱ→Ⅰ/Ⅲ→Ⅳadd9/Ⅴ→Ⅳadd9/Ⅴ→Ⅰ/Ⅴ」とコードが進行します。ここでは、コードがサブドミナントⅣからトニックⅠへ進み、サブドミナント終止が繰り返されています。また、ベースは「Ⅱ→Ⅲ→Ⅴ」(SD→T→D)という形で変化しています。そのため、ストレートなドミナント終止とは異なった、個性のある展開感が生じています。
 そして個別でコードを見ると、Ⅳadd9/Ⅱは長9度を持つテンション・コードです。その上ベースはⅡなので、シックス・コードⅣ6add9の異名同和音ともなっています。そのため、Ⅳadd9/Ⅱは響きが非常に複雑で、ユニークな雰囲気をもたらしています。また、Ⅰ/ⅢはⅠよりもやや曖昧ですが一歩進んだ雰囲気が、Ⅰ/Ⅴはより力強さのある響きが印象的です。
 それから、9~16小節目では「Ⅳadd9/Ⅱ→Ⅰ/Ⅲ→Ⅴ」という進行が現れます。ここでは最後にドミナントのⅤへ進むことで、緊張感と展開感が高まりつつ、トニックが導かれています。こうして、コード進行に一区切りが付きます。
まとめ
今回のコード進行では、元のコードとは響きや性質の異なる、複雑な響きのⅣadd9/Ⅱや、前向きなⅠ/Ⅲ、力強さのあるⅠ/Ⅴが登場しました。このうち、Ⅳadd9/Ⅱはテンション・コードとシックス・コード、オンコードのテクニックが組み合わさっています。このような形で元のコードを組み替えていくと、ある雰囲気に則した、より現実感のある響きが生まれます。
 また、今回はコードがサブドミナント終止を繰り返し、ベースが「SD→T→SD→D」と移動しています。このようにコードとベースを独立して動かすと、立体的で複雑な響きを構築できます。またこれにより、ここではⅠとは異なる雰囲気のⅠ/ⅢとⅠ/Ⅴが生じています。そのため、Ⅰのシンプルな響きが払拭され、より曖昧で現代的な響きがもたらされています。


