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比較的最近のキーボードには、midi端子だけでなくUSB端子が搭載されています。そのため、PCと接続してDAW(デジタル・オーディオ・ワークステーション)等を利用することで、世界中のミュージシャンやエンジニアが録音・作製した音源を使用することが可能です。
DAWに関しては有料のものがほとんどですが、日本製のMSPや、海外製ですが市販のものと同等がそれ以上の能力を持つReaper(ただしフリーなのはバージョン1.00未満のみ)といったものがあります。
こういったDAWで使用できる追加のエフェクトは有料やドネーションウェアのものも多いですが、無料で気軽に試せるものも多くあります。ここでは、Steinberg’s Virtual Studio Technology(VST)で作られた、気軽に利用できるリバーブ・エフェクトについて紹介していこうと思います。
Freeverb3
Freeverb3_Impulser2はSIRと同じく、記録されたWAV音源を利用して非常にリアルな残響音を作り出せるIR(インパルス・レスポンス)リバーブです。このタイプのリバーブはリアルさ、自然さにおいて群を抜いています。しかし、エフェクトの中で比較的重いリバーブの中でも、IRリバーブは特にCPUパワーを必要とします。
その点、Freeverb3は動作が軽い方で、CPUに対応したものを選ぶことで更に負担を抑えることが可能です。その方法は簡単で、check_cpu.exeを使用し、表示されたプラグインをダウンロードするだけです。そして実際の使用時には、FreeVerb3のインターフェイスのLOADからIRファイルを呼び出します。
LOAD後のIRファイルは同時にいくつかストックしておくことができます。しかし私の環境では0番にはファイルをロードできませんでした。ちなみに、IRファイルに関しては、Impulse ResponsesやSamplicity’s Bricasti M7 Impulse Response Library v1.1で大抵の残響音に対応できるはずです。
Glaceverb
GlaceverbはRVM(Residual Vector Modulation)という計算に基づいて反響音を生み出す、高性能なリバーブ・エフェクトです。こちらは物体の振動、表面や材質をシミュレートしており、薄い金属製の建物でのオーケストラ演奏を再現することも可能とのことです。このような複雑なアルゴリズムを用いているため、Glaceverbは非常に自然で、IRファイルを必要としません。
GlaceVerb (free reverb) – vstplanet.com
また、プリセットが非常に豊富なので、特に設定をせずに高品質なリバーブを楽しむことができます。しかしその一方で、GlaceverbはIRリバーブほどではないにしてもCPUへはそれなりに負担を掛けます。また、パラメータが独特なので、プリセットにはない目的の音を作るには多少苦労するかもしれません。