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オーギュメントコードは、半音4つ分(長3度)ずつ音を重ねたコードです。
このコードは、コード同士をなめらかにつなげたり、雰囲気をちょっと変えるのに役立ちます。
例えば、アポロのサビのオーギュメントからは、緊張感の中のちょっとした温かさと懐かしさを感じます。
Janne Da Arcの霞ゆく空背にしてのBメロのオーギュメントは、もっと深刻ですが人間味があります。
他にも、CからCのオーギュメントコードに進んでみると、なんだか甘い雰囲気が漂います。
面白い使い方ができるコードですね。
それではこのユニークなオーギュメントコードについて、見ていきましょう。
構成音
オーギュメントコード(aug)は、ルートの音、長3度、増5度で構成されています。
増5度を持つので、増三和音と呼ばれることもあります。
Cのオーギュメントコード。甘く、ふわふわ、ワクワクするような響きが特徴的。
メジャーコードとよく似ているので、Cを例に比べてみますね。
C:C、E、G
Caug:C、E、G♯
Cのコードにおける完全5度のGを半音持ち上げると、Caugが現れます。
たったこれだけの違いですが、響きはだいぶ異なりますね。
使い方
オーギュメントコードは、メジャーコードの雰囲気を変化させる代理コードとして使用できます。
C→Caug→C
C→Caug→F→G
CとCaugのように、構成音が似ているコードは代理コードとして使えるというわけですね。
ドミナントの代わりとしてももちろん使えます。
それどころか、Gaug7はテンションコードのG7(♭13)と同じ音を持つので、響きはとても艶やかです。
G:G、B、D
Gaug:G、B、D♯
Gaug7:G、B、D♯、F
G7(♭13):G、B、D、F、D♯(E♭)
クリシェ
またオーギュメントコードは、コードを少しずつ変化させるクリシェというテクニックにも役立ちます。
C→Caug→Am/C→C7omit5
コード進行は複雑そうに見えますが、実際はCのコードのGの音を半音ずつ上げているだけです。
コードの中身を見てみましょう。
C:C、E、G
Caug:C、E、G♯
Am/C:C、E、A
C7omit5:C、E、A♯
omit5は、5度を省略するという意味です。
なんだかロマンスを感じさせる響きになりましたね。
以下の進行も繰り返すと良い雰囲気になります。
C→Caug→Am/C→Caug
BlackAdderコード
BlackAdderコードとは、オーギュメントに別のベース音を組み合わせたコードです。
その形から分数オーギュメントと呼ばれたり、イキスギコードという名前でも知られています。
構成音は、ルートと減5度・短7度・長9度です。
Caugを例にすると次のようになります。
Caug/♯F
Ⅰaug/♯Ⅳ
Eaug/♯F
Ⅲaug/♯Ⅳ
G♯aug/♯F
♯Ⅴaug/♯Ⅳ
オーギュメントは半音4つ分の長3度ずつ音を重ねているので、3つの形がありますね。
BlackAdderコードの使い方としては、ベース半音下への進行が知られています。
Ⅰ→Ⅰaug/♯Ⅳ→Ⅳ
Ⅱm7→Ⅴaug/♭Ⅱ→ⅠM7
言葉にならない入り混じった感情を表現できる響きです。
オーギュメントコード一覧
オーギュメントコードの構成音一覧です。
Caug:C、E、G♯
C♯aug:C♯、F、A
Daug:D、F♯、A♯
D♯aug:D♯、G、B
Eaug:E、G♯、C
Faug:F、A、C♯
F♯aug:F♯、A♯、D
Gaug:G、B、D♯
G♯aug:G♯、C、E
Aaug:A、C♯、F
A♯aug:A♯、D、F♯
Baug:B、D♯、G
まとめ
オーギュメントコードは、ダイアトニックコードとの組み合わせにより様々な気分、情景を表現できます。
是非オーギュメントの雰囲気が似合う場面を想像しながら、使ってみてください。